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使い勝手をデジタルに評価しチューニング、差異化の鍵に

 さらに製品企画を支える技術部門にも、フィーチャーフォン時代にはなかったような新たな開発チームを設けている。主なミッションは、最新のAndroid OSを短期間で様々なチップセット上で動かすためのノウハウの確立だ。

 Androidが動作する英ARM互換のプロセッサには、NVIDIAのTegraシリーズだけでなく、米Texas InstrumentsのOMAPシリーズや米QualcommのSnapdragonなど様々な選択肢がある。そこで当社がAndroidの最新版を入手した直後から、この開発チームがそれぞれのプラットフォーム上でOSを安定稼働できるよう検証していく。この仕組みをどんどん速く回していくことで製品の開発期間を短縮しやすくなる。高性能で魅力的な製品をいち早く投入していくためには非常に重要な部分と言える。

他メーカーとの差異化を図る上では、スペックだけでなく使い勝手を追求していくことも重要ではないか。

 確かに今までのところ、ユーザーがスマートフォンの操作感に満足していないことは承知している。特に「サクサク感」や「ヌルヌル感」と呼ばれる動きの良さがポイントだ。この評価を高めるには何か一つの要素を磨いてもだめで、全体のチューニングをたゆまず続けていく必要がある。タッチパネル、グラフィックエンジン、あるいはアプリ起動時の動作、さらにはプロセッサのリソースをいつどのように活用するか、など、やらなければいけないことは色々ある。

 ただフィーチャーフォンでもタッチパネル対応機をリリースした経験から言うと、サクサク感やヌルヌル感というものは実は、要素を分解してデジタルに評価することができる。当社は2011年初め頃から、各要素に数値目標を立ててチェックしながら製品を開発してきた。理想のレベルには到達するのはなかなか難しいが、販売現場の声を聞いていても、操作感の向上は製品差異化の鍵になっていることがはっきりしている。これからもっと追求していく。

 その他にも課題はある。クアッドコア対応端末を開発していて、やはりバッテリーの持ち時間と発熱をいかに押さえるかが喫緊の課題だ。Tegra 3はTegra 2よりむしろ消費電力量が小さいのだが、端末のスペックが上がればそれだけ3Dゲームなど“リッチ”なコンテンツをユーザーが欲するようになる。そうした場合は4コアがフルに稼働するので省電力化や廃熱設計が重要になる。これをどう乗り越えるかがメーカーの腕の見せ所であり、差異化につながっていくはずだ。