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「大切な思い」を他人に伝える

 人材育成の現場では、新入社員から役員の方まで多くの人に出会います。もっとも多いのは、20代から40代の働き盛りの人たちです。ある程度仕事を続けていれば、誰だって自分にとっての大切なことや思いを持つようになるものです。

 ある若手ITエンジニアは、IT業界で働きたいと思ったそもそもの理由をこんなふうに話してくれました。

 ITって世の中のあらゆることに関係していますよね。それに関わるってことは、世の中の仕組みを変える場面に立ち会える仕事だと思うし、とてもワクワクします。

 「このシステムを開発する」といった目先のことだけでなく、「これによって世の中の何かを変える手伝いをしているんだ」と大きな視点で物事を捉える。どんな仕事に取り組む際でも、そうした態度は大切でしょうし、何よりも仕事を楽しめるようになると思います。

 別のリーダーはこう言います。

 普段の仕事を通じて、メンバーにこう言っています。「何かに取り組む時、枠組みやルールは確かに大切だ。同時に、その枠組みを乗り越える発想も大事だと思う。『これでいいのか』と常に疑いながら、仕事に取り組んでいってほしい」と。今よりもっと良いやり方を見つけていくには、ここまでの常識を常に疑ってかかる姿勢が大切です。枠組みを超えて考えなければならないこともあるでしょう。そうした経験を通じて、相手に役立つことができたり、自分がより成長できたりするんです。

 自分自身が「枠を超える」ことを意識して仕事をしているだけではなく、その考えや思いをきちんとメンバーに伝えているのですね。しかも「一度ではなく、何度も何度も繰り返し話している」とおっしゃっていました。

 いつも同じことを言い続けていれば、その思いをメンバーが共有するようになります。自分と思いを共にしてくれる人が増えていき、仕事がよりやりやすくなると思います。メンバーはそういうリーダーの思いを理解し、共有した上で、その上に自分なりの思いを作り上げていくことでしょう。

 若手のうちは、自分の中でだけ「大切な思い」をはぐくんでいてもいいでしょう。しかし、部下やメンバーを抱える立場になったのであれば、自分の「大切な思い」を部下やメンバーに伝えるのも大きな役割になってくるはずです。思いを一つにする仲間を増やすことも、年長者の務めです。