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「履歴」機能で素早く入力
JRグループ

 JR東日本やJR東海など、JRグループの鉄道会社が利用する座席予約システム「MARS(マルス)」。このMARSとつながり、駅の「みどりの窓口」などで切符を発券するために使うマルス端末についても、開発元の鉄道情報システム(JRシステム)が使いやすさを追求してきた。

 2012年早々にも駅での利用が始まる最新型端末「MR-52」では、発着駅名を入力する際、過去の入力履歴から選べるようになる。

 駅名の選択操作は、発券などに必要な操作のうち最も手間がかかる。というのも、マルスで扱う駅数は私鉄やバスなどを含め1万2000種類に及ぶ。全国の駅の切符を販売するために、ほぼすべてのマルス端末に、この駅の情報を格納している。よく選択される駅であっても、「先頭文字」や「路線」などから検索しなければならず、操作が煩雑になる。

 ここで入力履歴の機能が役立つ。「静岡駅」までの新幹線の切符を販売した後、しばらくして同駅を発車する別の列車の切符を販売する場合を例に、操作の流れを説明する(図2)。

図2●鉄道情報システムが開発した座席予約システム「MARS」の画面例
図2●鉄道情報システムが開発した座席予約システム「MARS」の画面例
過去の入力履歴から発着駅名などを選択できるようにした
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 駅名を入力するには、発券画面の上部にある「駅名」タブをタッチする。マルス端末はタッチパネル式のUIを採用しており、画面に直接触って操作する。

 続いて表示される駅名の入力画面で、画面右の文字列の中にある「シ」をタッチする。すると、過去に入力した駅のうち、「シ」で始まる駅名が画面左下の枠内に現れる。図2の例では、履歴のトップに出ている「静岡」をタッチすれば、発駅の入力は終わりだ。

 「直感的に操作できるようにしたいと考え、個人向けITサービスの機能を参考にした。検索サービスなどでなじみのある機能なので、窓口の職員が戸惑うこともないはずだ」。JRシステムの間宮孝佳 第一営業企画部営業企画課副課長はこう説明する。

 現行の端末にも、「シ」から始まる駅名を画面の左に五十音順で表示する機能はある。しかし、この機能だとスクロール操作をしないと入力したい駅が現れないことがある。そうした場合、担当者によっては絞り込みを進めるために「シ」「ズ」「オ」「カ」と駅名の文字を二つ以上タッチするケースもあるという。

使いやすさの鍵は「一貫性」
表A●ニールセンの10原則
表A●ニールセンの10原則

 システムの使い勝手を考える際に役立つのが、米国の工学博士ヤコブ・ニールセンが提唱する「ニールセンの10原則」である(表A)。この中で特に重要なのが「一貫性の保持だ」(ソシオメディアの川添シニアコンサルタント)。「決定」ボタンをすべての画面で同じ位置に配置するといったルールを決め、それに従って画面を作るという意味だ。

 さらに最近は「スマートフォンやWebブラウザーをベースとした個人向けITサービスなどと、社内システムとの間でも、一貫性を保つ必要が生じている」(川添シニアコンサルタント)。社内システムの中で一貫性を保持していたとしても、利用者が社外で慣れ親しんだ操作性と異なる場合は「社内システムは使いにくい」との不満が出る恐れがあるので要注意だ。