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 Mobile World Congress(MWC) 2012では、意外なベースバンドプロセッサメーカーが浮上してきた。2010年に独Infineon Technologiesから無線関連ビジネスを買収した米Intelだ。Intelのベースバンドプロセッサは、韓国Samsung Electronicsの「Galaxy Nexus」「Galaxy Tab 10.1」、米Motorola Mobilityの「Droid Razer」、フィンランドNokiaの「C2-03」などに採用されている。MWC会場では、IntelブースにAtomのライバルともいえるARMプロセッサを搭載した携帯電話が多数展示されていた。

 モバイルデバイスを安価に製造するには、部品点数を減らし、基板面積などを小さくする必要がある。部品数を削減することで単純にコストが減り、また、基板上のレイアウトに自由度が増え、他の部品の選択や配置の選択肢が増えるからだ。

 モバイルデバイスのアプリケーションプロセッサの進化の方向の一つとして、ベースバンドプロセッサを内蔵するものがある(図1)。Intelや米NVIDIAがワイヤレスデバイス関連事業を買収するのも、自社のアプリケーションプロセッサにベースバンドプロセッサを内蔵する計画があるからだ。

図1●スマートフォンの構成パーツは共通化する方向にある
図1●スマートフォンの構成パーツは共通化する方向にある
機能が一定なら、一つの半導体に統合したほうがコスト的に有利になりやすい。しかし、逆にDRAMやフラッシュなどは、ロジックとは製造プロセスが違い、場合によってはSKUを作り分けるために使われるので(例えば16Gと32Gバイト版など)、統合しない方がよい場合もある。
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 ただし、ベースバンドプロセッサの開発には時間がかかる。いったん市場に出した後も、携帯電話事業者の要求に応えたり、利用環境などに対応したりする必要がある。ベースバンドプロセッサは、多くの処理に内蔵ファームウエアがかかわるが、その程度はメーカーによって大きく異なる。新しい通信方式の場合、柔軟に対応できるようにソフトウエアやパラメータによる制御の比率を高くする。そのためファームウエアの変更などで、出荷後の問題に対処しやすくすることが多い。一方、ある程度時間が経ち、ノウハウが蓄積されてきた通信方式では、ハードウエアによる処理を増やし、消費電力やコストを下げる努力が行われる。