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 インターネットの共同購入サイトをご存じだろうか。一定時間内に一定の人数が「購入申し込み」をすれば、「通常価格」から大幅に割り引かれた価格で商品を購入できるというものだ。

 商品はモノに限らず、例えばスポーツクラブの利用券、コンサートチケット、レストランのコースメニューと幅広い。販売が決まった商品は「クーポン」という形態で購入者に渡され、購入者はクーポンの有効期限内に消費する仕組みだ。日本でいえば米グルーポンの「グルーポン」やリクルートの「ポンパレ」などがこれに当たる。

 中国語ではこの共同購入サイトのことを「団購(トゥアンゴウ)」と呼ぶ。この1年のうちに共同購入サイトは急速に増えた。その様子を2010年9月に公表された『2010年中国インターネット共同購入調査研究報告』(以下『研究報告』)と、同年12月に公表された『2010年国インターネット共同購入業界信用調査報告』(以下『信用報告』)から紹介したい。

およそ1年で1664もの共同購入サイトが出現

 『研究報告』によれば、この仕組みは2010年1月開始の「満座網(manzuo.com)」が中国国内で初めてとされる。続いて同年3月に「拉手網(lashou.com)」が続き、現在全国200都市の地域エリアサイトを開設している。

 以降、雨後のたけのこのような勢いで新規サイトが開設されている。『信用報告』によると、2010年11月現在で、一定規模を有する共同購入サイトだけでも1664サイト(ポータルサイトの共同購入チャンネルや各地に設けられた地域エリアサイトを含む)、共同購入サイト企業数は589社に達している。そのほか特定のコミュニティだけを対象とするような零細サイトを含めればさらにその数は膨れ上がる。

 主な大手としては、先に紹介した満座網、拉手網、業界シェア第3位の「糯米網(nuomi.com)」、米グルーポンの中国版である「団宝網(groupon.cn)」、中国の学校版SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サイト)の創始者、王興による「美団網(meituan.com)」、三井ベンチャーズ(現・三井物産グローバル投資)など日本からの融資を獲得している「F団(ftuan.com)」などの名前が挙げられる。また、派生サイトとして共同購入ガイドサイト(複数サイトの今日のクーポンを一覧できる)も現れている。

地域別で北京が最多

 地域別にみると最も多くサイトが開設されているのが北京で473サイト。これは第2位の上海の183サイトを倍以上も上回る数となっている。北京、上海に続くのは広州の77。以下は深センなどが続き、上位10都市で共同購入サイト総数の68%を占める。これらの地域はもはや飽和状態といってもよい状況だ。

 これらの報告において、利用者数・市場規模については言及されていない。ただ、2010年6月末のネットショッピング利用者1億4200万人のうち、6%に相当する数が共同購入をしたことがあるとの数字もある。認知度の上昇と対象地域の拡大により、今後急速に拡大していくものと思われる。

 共同購入サイトの特徴は販売する商品だ。「サービス」が多くの割合を占めている。一般に電子商取引の対象となる商品は、航空券とホテルの予約を除くと、衣料、化粧品、食品、家電などの「実物」がほとんどを占めるのとは対照的だ。

 『研究報告』によると、販売商品のうち85%以上をサービスで占めた。内訳は、映画・テーマパーク入場券など娯楽・レジャーが27%、外食が24.5%、エステやネイルなどの美容が17.4%、旅行・ホテルが10%、フィットネスなどの健康関連が6.2%などだ。モノの販売は僅か8.9%にすぎない。

 これはクーポン共同購入サイトの仕組みが、サービスの販売と親和性があるためだ。サービスはモノと異なり在庫を抱えずに済む。

 もちろん顧客が集まらなければ人件費など経費ばかりがかかることになるが、その点、クーポン共同購入サイトは割引率こそ高いものの、一定数の購入者が現れてから販売が決まる仕組みのため、経費の負担を抑えやすい。また、共同購入サイトを通じて店舗を初めて利用する顧客を取り込める利点もある。