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 ロンドン東部にテクノロジー企業を集結させようという「Tech City」プロジェクト。イギリス政府とロンドン市のバックアップもあり、現在では1200に近い企業や団体がある。中でも数が多いのは、このTech Cityで起業した、いわゆるスタートアップと呼ばれる新しい企業である。特に、世界中で盛り上がり、イギリスではインフラとして定着しつつあるソーシャルネットワークを生かすアイデアで起業しているところが多い。今回は、そういう企業とサービスをいくつか紹介しよう。

ゲーミフィケーションを積極的に活用する「inensu」

写真1●inensuのCEOで共同創業者であるPaulina Bozek氏
写真1●inensuのCEOで共同創業者であるPaulina Bozek氏
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 最初に紹介する「inensu」は、2010年夏に創業したばかり。現在の全従業員は8人という典型的なスタートアップ企業である。ソーシャルゲームやモバイルゲームを多く開発している。

 inensuはInternational Entertainment Super Companyの略。その名前の通りに、単なる従来のゲームではなく、「音楽、ファッション、フィットネスといったエンターテインメントとゲームを統合する形のサービスを作るのを得意としている」(CEOのPaulina Bozek氏、写真1)。

 inensuが開発した代表的なサービスとして「Closet Swap」と「SUPERFAN」という2つがある。いずれのサービスも、ゲーム的なエンターテインメント性を積極的に取り入れるゲーミフィケーションの手法を積極的に活用しているのがユニークな点だ。

ソーシャル上の友人と洋服を交換する「Closet Swap」

写真2●友達と服を交換するサービス「Closet Swap」
写真2●友達と服を交換するサービス「Closet Swap」
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 「Closet Swap」は、クローゼットを交換(Swap)するという言葉の意味通りに、毎日顔を合わせている同僚同士や友達同士で服を交換しましょうというティーンエージャー向けのサービスである。「『借りられるのになぜ買うの?』がコンセプト」(Bozek氏)として、2011年10月からサービスを開始している。

 ユーザーはまず、自分の着ている服を写真にとってアップロードする。こうして、自分の持っている服と友達が持っている服を共用部分に置く。サービス上にはトップやスカート、シャツといったように、いろんなカテゴリごとで分類されてアップロードされている。その中から自分の気に入ったものがあったら、友達にリクエストして借りるという流れだ。

 こうした活動をCloset Swap上で実行すると、それと同時に得点も獲得できる。自分と友人の得点はリーダーボード上で確認でき、一番交換したのは誰か、一番多く交換されたのは何か、といった競争を友達と楽しめる。単なる競争だけでなく、どのブランドを自分の友達に人気あるか、どのアクセサリーがよく交換されたかといった、統計的な数字も確認できる。

 活動を続けているプレイヤーにステータスが与えられる。さらに、いろいろな肩書きを洗わずバッヂも付与される。こうしたゲーム的な要素を取り入れることで、ユーザーの興味を増している。

 Closet SwapはFacebookと連携しており、貸し借りをしたりバッヂやステータスを獲得したという情報は、Facebook上のソーシャルグラフとして友達に伝わる。また、ファッションSOSという機能があり、デパートの店頭などで自分がいいと思った服の写真を撮ってFacebookにアップロードすると、その情報がFacebookのソーシャルグラフとして流れ、それを見た友人がアドバイスをしてくれるという機能もある。

 このCloset Swapはもともと、イギリスのチャンネル4というTV局から開発委託費をもらった費用で開発している。ユーザーからはいっさい料金をとっていない。inesuとしては、この仕組みをほかの分野にも応用していこうという考えだ。