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 熟練エンジニアの知見をパターン化することで、人手による設定を無くしたハードウエア―。 日経コンピュータ3月15日号で既報の通り、日本IBMがソフトウエア統合ハードである「PureSystems」を発表した。同社はこれを新しいカテゴリーの製品として位置づけている()。

図●IBM「PureSystems」の位置づけ
IBMはPureSystemsを汎用コンピュータとアプライアンスの中間的なカテゴリー「エキスパート・インテグレーテッド・システム」に位置づけている
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 PureSystemsのポイントは、IBMによる数千件のシステム構築経験から得た「システム設定パターン」を組み込んだ運用管理ツールにある。このツールは、アプリケーションやワークロードの種類を分析して、仮想マシンのほかネットワーク、ストレージ、ミドルウエア、アプリケーションに関する最適な設定パターンを自動的に適用する。

 PureSystemsが、従来のアプライアンスと異なるのは、システム稼働後に新しいアプリケーションを追加した場合でも最適化を継続できること。管理ツールを通じて新しいパターンをインフラやミドルウエアに適用する。アプリケーションの設定パターンは、IBMのほか米マイクロソフトや米レッドハットといったサードパーティーも用意する。

 IBMは必要なハードとソフトの設定作業が、数分間で完了するとしている。一方、従来のアプライアンスは、設定が一つのアプリケーションに特化しており、後からは変更できない。

 PureSystemsは製品ファミリーの名称で、2モデル構成。IaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)用の「PureFlex System」を5月に、PaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)用の「PureApplication System」を8月に出荷する。

 プロセッサは両モデルとも「POWER」と「Xeon」に対応する。PureApplication Systemのハードは、プロセッサコア数やメモリー容量に応じて4機種がある。プロセッサコア数は最大608コア、メモリーは最大9.7テラバイト(TB)である。ストレージは最大6. 4TBのSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)や最大48TBのHDDを搭載可能だ。