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 ビデオ・ゲームの優れた制作ノウハウを、他分野の製品開発などに生かす「ゲーミフィケーション」の事例が急増している。ゲーミフィケーションと類似のものに、立命館大学 教授のサイトウ・アキヒロ氏が提唱する「ゲームニクス」、教育や医療、社会問題の解決などに向けた「シリアスゲーム」などがある。それぞれ内容や言葉の定義に違いはあるものの、「人を思わず夢中にさせる仕組み」や「継続利用を促す方法」など、ゲームの長けた部分を導入することを目指す点は、共通している。

ゲーミフィケーションという言葉は、2010年ごろから米国でにわかに注目を集め始めた。中でもWebサービスやマーケティング・サービスを手掛ける企業が、強い関心を寄せた。顧客ロイヤルティーを高めて利用時間の延長や課金率を向上するのが目的だ。米国では、ゲーミフィケーションのコンサルティング・サービスやWebサービスを提供する企業が登場している。Badgeville社やBunchball社などがそれだ。

 ゲームの制作ノウハウを生かそうという試みは、エレクトロニクス業界にも広がりつつある。単なる高性能や高機能化では電子機器が売れなくなった現状を打破する可能性があるからだ。

 中でも成功事例として有名なのが、2010年3月にソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が発売したプレイステーション3用の地デジ録画キット「torne(トルネ)」である。従来のHDDレコーダーとは一線を画す快適で楽しい操作性を実現したことが、累計で100万台以上を販売するヒットにつながった。

 この他、クラリオンのカーナビ「NX710/110」、日産自動車の電気自動車「リーフ」のレンタル車用アプリ、NTT東日本のタブレット端末「光iフレーム2」のGUIなどの開発事例が出ている。例えば、NTT東日本はバンダイナムコゲームスに協力を仰ぎ、シンプルで分かりやすいGUIをタブレット端末に導入し、子供や高齢者でも簡単に使えるようにした。今後も、エレクトロニクス業界でゲーム制作のノウハウを生かす事例が増えることになりそうだ。