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データ共有・活用
必要に応じて振り分け

 ソーシャルメディアのデータを収集、分析したら、結果を関係者で共有し、活用する。この共有・活用も情報システムの大事な役割だ。データに応じて、どの部門で共有・活用するかを変える。これを目指しているのがアスクルだ。

一貫した対応を支援

 アスクルはソーシャルメディアから収集・分析したデータを、社内で共有・活用するシステムを構築している。利用したのはNTTコミュニケーションズのSaaS「CoTweet」、用途はTwitterを使ったアクティブサポートだ。

 分類したソーシャルメディアのデータの中で、「商品の外箱が破れていた」といった改善に関わるものにフラグを立てる。するとそのデータは、品質管理部門のシステムに送られ、担当者で共有する。「アスクルのカタログ、いつも楽しみ!」といった声は、イントラネットで共有する。

 現在は、フラグを担当者が手動で立てている。ソーシャルのデータも単純に振り分けているに過ぎない。次の課題は、「商品企画部門とのデータ共有だ」と、CS・Web推進担当の大石いづみ氏は話す。アスクルの独自商品を企画する部門とデータを共有し、商品企画やカタログの内容に反映することを検討している。

 同社は、データ共有・活用の作業を円滑に進める仕組みも実現している。対応履歴の管理機能はその一つだ。アクティブサポート用Twitterアカウントに寄せられた顧客からのつぶやきデータごとに、応答した担当者名や回答として投稿した文章などを保存しておく。対応履歴は複数の顧客サポート担当者が共有し、顧客とやり取りする際に参照できる。

 こうした機能によって、担当者ごとの対応のばらつきを無くしたり、特定の顧客への対応を一貫させたりできたという。「この人にはこんなジョークで返しても問題ないなど、顧客に合った応対ができている」(大石氏)。

承認フローに組み込む

 リコーの取り組みは、ここまでの事例とは形態が異なる。対象が社内SNSであり、グループウエアを利用した製品開発プロセスに、社内SNSを組み合わせている。この形で、データの共有・活用を実現している。

 同社が2011年10月に構築したシステムの狙いは、文書管理システムといった新製品の企画・開発・販売計画立案などを、全世界の複数の部署でスムーズに進めることにある。日本IBMのSaaSである「SmarterCloud for Social Business(SCSB、旧LotusLive)」で社内SNSを構築、グループウエアには同「Notes」を採用した。

 SCSBを使って各国の市場データや顧客データ、資料に対する営業担当者のコメントなどを収集。集めたデータにタグ(識別用のキーワード)を付けたりコメントを付与したりするなどの分析作業を経て販売計画資料を作成し、Notesに登録する。一連の作業は、世界の販売会社や、社内の製品開発部門、製品の品質管理部門、法務部門などが共同で進める。作業による成果も共有する。

 「新製品の発売に向けて、品質のチェックや文書の承認といった作業を、担当の部門が実施していく。このために、組織構造に沿ったワークフローや文書管理といった機能を提供するシステムが必要になる」。製品開発部門の藤井隆雄BD統括室事業統括一グループスペシャリストは、こう語る。社内SNSを新たに構築した最大の理由は、「グループ企業や組織の壁を超えて、新製品に関するアイデアを容易に収集できる」(藤井スペシャリスト)からだ。