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 前回では、メンタルシック(心の病)の発生原因の説明として、経済や社会、ソフトウエア開発環境の変化に伴う意識や価値観の変化など、外的な要因を説明した。

 しかし、問題の解決に迫るうえでは、もう1つ大きな原因に目を向けなければならない。それは何か。遺伝的性格や生育環境(家庭や学校)的性格、と呼ばれる内的要因についてである。

同じ状況でも、性格によってストレスは大きく違う

 例えば、同じプレッシャーがかけられても、人によってストレスの感じ方が違うのはなぜなのか?

 開発部門から企画部門へ異動の辞令を渡されて「自分は開発能力が低いから企画に移されたのだ」と悩んでメンタルシック(心の病)になる人もいれば、「これからは企画力も必要になるからいい機会だ」とポジティブに考えて前向きにモチベーションを上げる人もいる。

 この違いの原因は、「遺伝的性格」と「生育環境的性格」にあると言われている。前者は、親からの性格が遺伝して物事の受け止め方や考え方が形成されることを指し、家庭や学校など生育環境の中ではぐくまれる性格を後者は指している。

 どちらの要因が大きいのかは個人によって異なる。自分を取り巻く周囲の出来事を極端にマイナス方向で受け止めてしまう性格がどちらかの要因で形成された場合は、メンタルシック(心の病)を発症する場合が多い。

 これは少し乱暴な言い方だが、メンタルシック(心の病)の発症のメカニズムは簡単に言えば、

出来事→受け止め(認知)→感情・気分→行動

という流れとなっている。

  この受け止め方が、性格的な遺伝や生育環境によって個人差があるのだが、極端にネガティブだと、感情や気分が大きく落ち込み、やる気をなくし、人によっては自殺行動にまで行き着いてしまう。

 しかし、この受け止め方自体をポジティブに変えられたら、メンタルシック(心の病)の治療や予防に役立つという考え方が最近評価されている。これが「認知療法」の基本的な考え方である。