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 Red Hatはどこへ向かおうとしているのか。クラウドでの勝算は。これからもすべてをオープンソースとして提供していくのか。日本でクラウド関連製品をどのように展開していこうとしているのか。Red Hatの社長兼CEO Jim Whitehurst氏と日本法人のレッドハット 代表取締役社長 廣川裕司氏に聞いた。

(聞き手は高橋 信頼=ITpro編集

OSSは最良の方法だ
Red Hat 社長兼CEO Jim Whitehurst氏

クラウドサービスにおけるRed Hatの立ち位置は。

Jim Whitehurst氏

 我々がサーバーを運用するわけではない。ユーザーは我々のクラウド管理ソフトと、好きなクラウドサービス---AmazonでもNTTでも、使いたいクラウドサービスを自由に組み合わせて使用できる。我々はクラウドサービスに付加価値を提供する。

Red Hatのコア・バリューは信頼性とサポートだ。しかしクラウドでは信頼性より先進性やコストを優先するユーザーが多い。

 ユーザーにとって重要なのは、アプリケーションを走らせることだ。Red Hat Enterprise Linuxはリファレンススタンダードになっている。ユーザーはクラウドでもRed Hat Enterprise Linuxを選択するだろう。

昨日(インタビューの前日6月27日)、FuseSourceの買収を発表した(関連記事)。

 FuseSourceは広く使われているオープンソースのメッセージングソフトを提供しており、Apache Camelなど重要なオープンソースソフトウエアの主要な開発者が在籍している。重要なオープンソース企業だ。

今後も買収を続けていくのか。

 そうだ。分野としてはビッグデータや(OpenFlowのような)SDN(Software Defined Network)などに注目している。

 ただ大事なのは、買収された企業の従業員が喜んで働くようにすることだ。オープンソースは人が全て。買収したあとに人が辞めてしまっては、企業は抜け殻になってしまう。これまでの買収では、ほとんどの従業員がRed Hatにとどまってくれている。

2010年に買収したMakaraのPaaSソフトウエアを、OpenShift Originとしてオープンソースで公開した。

 OSSは最良の方法だと信じているからだ。ソフトウエアを公開することは、短期的には財務的にはマイナスだ。しかし長期的には、OSSにすることがわれわれの成長にとって最もよい影響をもたらすと考えている。

2012年度の売上高が10億ドルを超えた。

 オープンソース企業が初めて達成した重要なマイルストーンであり、オープンソースがエンタープライズでメインストリームになったことを示すものだ。Microsoft、OracleやSAPといった大手ソフトウエア企業が売上10億ドルに達するまで、Red Hatよりも多くの時間がかかっている。

 さらに上を目指す。5年以内に30億ドルを達成する。2012年度は前年比約25%成長であり、30億ドルは十分に達成できる。また今回のRed Hat Summit and JBoss World 2012で発表したクラウド、ストレージなどの製品を合わせれば、50億ドルも可能だ。

成功の理由をどう見ているか。

 オープンソースコミュニティの重要性を理解していることだ。Red Hatには、オープンソースコミニティに貢献する多くの開発者が在籍しており、我々は受け取る以上のものをコントリビュートしている。デスクトップ部門のオープンソースソフトウエア開発者だけで約40人いる。デスクトップに特化した製品を持っていないにもかかわらずだ。

 我々は改良をコミュニティに還元し、コミュニティがそれを取り込む。これによってオープンソースソフトウエアは進化する。我々だけでなく、パートナー、カスタマー、さらに競合する企業が行った改良もコミュニティに取り込まれる。きわめて優れた持続的なモデルだ。

日本市場をどう見ているか。

 日本でのRed Hatのマーケット・シェアは高い。シェアが高いのは、日本のユーザーがクオリティを重視しているからだと考えている。富士通、日立と協力して10年間のサポートを提供を開始したが、これらは日本のユーザーの高い要求がリードしている。

日本のユーザーへ伝えたいことは。

 Red Hatはすべてをオープンソースとして公開しており、ロックインしない。オープンソースでロックインから自由になろう、と伝えたい。

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