先行きの見えない経済情勢の中、危機をどのように乗り越え、次の戦略を打ち出すか――。今週3日間にわたって開催されたIT Japan 2012では、企業の経営トップやCIO、主要IT企業トップなどのキーパーソンを講師に招き、新たな成長を目指す「経営とIT」のあり方が議論された。
初日のオープニングを飾る基調講演には、日本総合研究所理事長、多摩大学学長、三井物産戦略研究所会長を務める寺島実郎氏が登壇。「世界の構造転換と日本の進路」というテーマで熱弁をふるった(写真)。
情報システム活用で顕著な成果をあげた企業を表彰する「IT Japan Award 2012」のグランプリに輝いたアサヒグループホールディングスからは、本山和夫副社長が受賞企業特別講演に登場。グローバルな経営戦略を実現するために、「全社の経営課題とITを連動させる」ことを強調した。
以下、IT Japan 2012における各講演の概要を伝えるニュースを紹介する。
健全なIT社会を発展させていく人材と組織
「ITによって新たな“全員参加型秩序”が生まれる」、寺島実郎氏
「スタイルを重視した人材育成を」、日本ラグビーフットボール協会の中竹竜二氏
「世界共通の人材評価の仕組みを進める」、LIXILグループの藤森CEO
「日本企業よ、ネットと同期し新生しよう」、東大 松島名誉教授
「デジタル革命を理解しない政治が日本経済を低迷させる」、竹中平蔵氏
IT Japan Award 2012受賞企業特別講演
「経営課題とITを連動させる」、アサヒグループHDの本山副社長
企業と社会を支えるITのあり方
「合言葉は目利き、引っ越し、お守り」、日本ユニシス平岡専務執行役員
「今がイノベーションのチャンス」、シグマクシス大原パートナー
「経験や直感ではなくICTが生み出す知見が主役に」、富士通の佐相副社長
「企業IT基盤のアウトソーシングに取り組もう」、NSSOL謝敷社長
「これからの組織は“野球型”から“サッカー型”へ」、シスコ平井社長
「リーダーは1000のアイデアを生み続ける仕組みを作れ」、PwC内田会長
「“少し先の見える化”が重要になる」、セールスフォース宇陀社長
「重い基幹IT変え、コンシューマITを活用せよ」、アクセンチュア程社長
「デザイン・シンキングでイノベーション力を取り戻そう」、NRI谷川氏
「ビッグデータ利活用には三つの要素が不可欠」、日立の渡部常務
「情報の活用なくして事業の成長はない」、日本オラクルの遠藤社長
「テクノロジーによる変革で日本は成長できる」、日本IBMの鴨居氏
「セキュリティの課題も変わってきた」、トレンドマイクロの大三川副社長
「OSSでソフトウエアの遅れを取り戻せる」、レッドハットの廣川社長