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 ITproが主催したAndroidアプリコンテスト「A3 2012」では、台湾の「COMPUTEX TAIPEI 2012」における出展とプレゼンを副賞とする「アイデア賞」と、協賛社であるソニーモバイルコミュニケーションズのスウェーデン拠点に訪問できる「グローバル賞」を設けました。受賞者がそれぞれ見たもの、体験したものを訪問記として執筆していただきます。今回の訪問記は、歩行支援システム「Warasy」で受賞した中京大学の久原政彦氏です(編集部)。

準備編

 中京大学の久原政彦と申します。大学で福祉工学とマルチメディア技術を研究しており、歩行障害を持った方への支援に、携帯型計測機とAndroidを使うというコンセプトを持った「Warasy」を開発しています。今回ご縁がありまして、このWarasyをCOMPUTEX TAIPEI 2012でプレゼンできることになりました。そのレポートを書かせていただいています。

著者
台湾のご飯はどれも最高でした
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■自作デバイスの海外持ち出し

 私は海外発表はおろか、海外旅行すら初めてでした。言語や風土もそうですが、問題になったのは『作ったデバイスをどう持っていこう?』ということでした。私が開発したWarasyでは、歩行状態の計測に、専用の携帯型計測機を利用します。この計測機、まだ試作段階で完全な製品ではないため、出国審査官などに目をつけられると、それなりに危ないものに見えます。

Warasy計測機
Warasyで使用する計測機。爆発物には見えないと思う
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 特に始末に気を付けなければならないのは、リチウムイオン電池。規定では100Wh以下のものであれば予備電池でもOKですが、その際には必ず個別にパッケージングをしなければなりません。私は予備電池については密封できる硬質プラケースに、1つずつ収めていきました。計測機についても、念のため厚手のプラ袋に入れています。これで特に問題は起こりませんでした。

 米国などテロ対策に厳しい国では、荷物が開けられて、厳しくチェックされる可能性があります。余計な疑いをもたれないためにも、その自作デバイスがどんなもので、安全であるという説明書と、電源は抜いてあるから絶対誤作動しないよ、というメモ書きがあると安心です。

■海外における通信手段の確保

 台湾は十分高速な携帯通信網がありますが、国内キャリアが提供する海外パケホーダイなどは1日4000円程度かかり、5日間の滞在で2万円取られる計算になります。貧乏人にはつらい。

 そこで私はWi-Fiモデムをレンタルしていきました。海外キャリアの通信網を利用したデータ通信が、1日500円~700円程度で利用できるようになります。5日間を約4000円でずっと高速通信できました。いろんな会社が提供していますので、検索して比較の上、ぜひご利用ください。