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 国民の平均年齢が21歳と若く、GDP(国内総生産)7%以上の成長を続けるラオスで象徴的な出来事が2011年1月にあった。ラオス証券取引所の開設である。同取引所はラオス中央銀行と韓国取引所の合弁で、首都ビエンチャンは韓国人であふれかえった。上場企業はラオス外国商業銀行とラオス電力発電の2社だが、2012年にはさらに3社が上場を予定。「ASEAN共同体」の実現を目前に控え、経済発展はまさにこれからだ。

 面積は日本の本州、人口は千葉県と同程度という小さな国で、四方をメコン諸国に囲まれている。古都ルアンパバンは英国で権威ある旅行雑誌「Wanderlust」の読者投票の都市部門で2010年から3年連続世界1位の人気ぶりで、世界遺産にも指定されている。仏教への信仰が深く、毎朝、托鉢に出た僧侶が街中にあふれる。

経済成長著しいラオス、ITインフラの質向上で有力拠点に

 国民の大半はタイ語を話せる。タイのテレビ番組を衛星放送で毎日見ており、ネットサイトもタイ語が多い。通貨もラオスのキップのほか、米ドルやタイバーツがどこでも通用する。また水力発電などで多くのタイ企業が進出している。タイの中の「一つの県」かと思えてしまうほど、文化と経済の両面でタイとのつながりが強い。

 携帯電話の普及率は90%超で、固定電話の1.7%に比べて格段に高い。主要4社がHSPA(High Speed Packet Access)のデータ通信サービスを提供しており、SIMカードを複数持つ利用者も多い。固定電話回線が少ないため、インターネット接続もADSLは少数派で、ほとんどの家庭はHSPAを使っている。ただ料金は公称14Mビット/秒のHSPAで月3000円程度、ADSLは1Mビット/秒で月9000円と高い。

電気料金はアジアで最安

 メコン川を挟んでタイの対岸にあるビエンチャン市の川沿いでは、タイからの電波も届く。タイの通信事業者の公衆無線LANサービスを使え、タイの携帯電話事業者のSIMカードで通話(タイへは国内通話の扱い)したりネット閲覧したりする人も多い。陸に囲まれたラオスでは米国や日本など海外へのインターネット接続が近隣国経由となり、実効速度や品質の面で課題を抱える。そこでNTTコミュニケーションズはラオス政府機関と連携し、当社のIPバックボーンを用いたインターネット環境への移行を進めている。

 山岳と水資源に恵まれたラオスは水力発電で周辺国に電力を供給している。「東南アジアのバッテリー」とも呼ばれ、電気料金がアジアで最も安い。洪水や地震などの自然災害も少なく、データセンターの設置候補としても有力視されつつある。当社は国営データセンターに関しても改良を支援しており、国全体のITインフラの質向上に貢献している。

宮崎 一(みやざき はじめ)
NTTコミュニケーションズタイランド サービス開発部門長。カンボジア&ラオス カントリーマネージャ兼務。バンコク勤務は2009年から。タイでのサービス開発に加え、近隣国でのビジネス開発にも取り組み、2010年にプノンペン、2011年にビエンチャンでそれぞれ支店を開設。日系企業のIT化支援などを手がける。週末にはタイの大学院に通う。起業を目指してチャレンジ精神にあふれるタイの若者に刺激を受けている。