先日、海外の同僚と仕事のやり取りをしていた中で、ずいぶん過激なタイトルを付けたドキュメントの話が出てきた。その名も「How To Crush Your Competitors On Social Media In 30 Days(30日であなたの競合をソーシャルメディア上で圧倒する方法)」。海外でもソーシャルメディアマーケティング関係のコラムやドキュメントには、あおり半分のかなり過激なタイトルが付いていることが多く、これも実にあおっていそうな感じである。
競合企業を意識してソーシャルメディアを活用
とはいえ、中を読んでみると、結構地に足が付いたアプローチについてわかりやすく説明してあり、意外と役に立ちそうな内容である。しかも、昨今日本で行われている、いわゆる「ソーシャルメディアマーケティング」では、なかなか実践されていないと改めて気付かされるアプローチもあり、非常に興味深かった。
日本におけるソーシャルメディアマーケティングの場合、それを担当する企業側のマーケターのスコープが「自分(たちの所属する企業およびその製品・サービス)」と「(その企業や製品・サービスの)顧客」だけになってしまっていることが多い。
Twitterアカウントを運営するにせよ、Facebookページを開設しコミュニケーションを図るにせよ、基本的には自分たちのメッセージを自分たちの手で、自分たちの顧客(見込み顧客含む)に対して発信しているケースが大半だろう。だが、それは自社(Company)、顧客(Customer)、協力業者(Cooperator)、競合企業(Competitor)という4Cの中で、自社と顧客という2つのCしか見ていない。
実際に競合を圧倒するか、あるいは具体的に実践するかは別にして、そういう点で「30日であなたの競合をソーシャルメディア上で圧倒する方法」は少なくともソーシャルメディア上のマーケティング・コミュニケーション活動において、「競合」つまり「Competitor」の存在を意識するきっかけとして非常によいドキュメントである。競合の動きを意識する中で、自分たちの活動に対して確実な手応えを感じることができるだろうし、また活動のベンチマークを的確に定めることもできるはずだ。
さて、それでは、どのように競合を意識するかということについて見ていこう。ソーシャルメディア上のコミュニケーションだけであれば、競合の動きはかなり的確に把握できる。なぜなら、他の多くのコミュニケーションと異なり、ソーシャルメディアの場合は第三者からも可視化できる要素がかなり多いからだ。こういった可視化できる要素をきちんと洗い出し、これらを分析することが、競合の動きを知る第一歩となる。