iPhoneやiPadはアプリの入手手段が一般にはApp Storeに限られているが、Androidの場合はGoogle Play以外からもアプリを入手することが可能だ。そのため、Android向けに独自のアプリマーケットを展開し、アプリを配信しているケースがいくつかある。
そうした独自マーケットの中でも、国内で多くの利用者を獲得しているのが、主としてKDDIの「auスマートパス」契約者向けに提供されている「au Market」だ。“アプリダウンロードし放題”で注目されるauスマートパスだが、そこで人気を得ているアプリの傾向には、Google Playなどと比べてどのような違いがあるのだろうか。
「auスマートパス」と「au Market」
まずは「auスマートパス」と「au Market」について触れておこう。auスマートパスは、KDDI(au)のAndroidスマートフォンやタブレット利用者向けに提供されている月額390円のサービスである。このサービスを契約することで、auが独自に提供する500本以上のアプリがダウンロードし放題となるほか、各種クーポンサービスや、写真や動画を保存できる「au Cloud」、さらにセキュリティ対策アプリの「ウイルスバスターモバイルfor auスマートパス」など、さまざまなサービスが利用可能となるのが大きな特徴だ。
そして、auスマートパス利用者がアプリをダウンロードするマーケットとなるのが「au Market」だ(写真1)。これは従来、auのAndroidスマートフォン利用者向けに提供されていたアプリマーケット「au one Market」を、auスマートパス利用者向けのサービスとしてリニューアルしたものである。Google Playとは異なり、事前にKDDIが審査したアプリのみを登録しているほか、スマートフォン初心者でもアプリを探しやすいよう、アプリ登録数も絞られている。
auスマートパス契約者であれば、au Market内で配信されているアプリを、料金を支払うことなくダウンロードできる。しかもau Marketには、「ATOK for Android」など、Google Playでは比較的高額で提供されているアプリも用意されている。もちろんこれらを利用する際も、追加料金は発生しない。
こうしたことからauスマートパスは高い人気を博しており、3月の開始からおよそ5カ月となる8月17日には、会員数が200万を突破している。しかもサービスの性格上、アプリを利用し続けるには継続課金が必要となることから、スマートフォンに慣れている上級者よりも、Google Playの複雑さや審査面に不安を抱く初級者や中級者から多く利用されていると見られる。