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 中国の大手IT企業が加盟するIT関連団体、北京アウトソーシングサービス企業協会(BASS)の理事長を勤める曲玲年氏は、中国のIT業界で幅広い人脈と経験を持つ。NECやIBMの中国法人に勤務したこともある曲氏に、日中のIT関係の今後などについて聞いた。

(聞き手は大和田 尚孝=日経コンピュータ


尖閣問題を機に、日本のIT企業の中では「チャイナリスクを再認識すべきだ」という認識が強まり始めている。オフショア開発の発注や中国進出を見直す動きも出てくるかもしれない。こうした現状について、中国のIT業界の代表者としてどうみているか?

北京アウトソーシング・サービス企業協会(BASS)理事長 曲玲年氏
北京アウトソーシング・サービス企業協会(BASS)理事長 曲玲年氏

 まず言いたいのは、政治問題とビジネスは切り離して考えるべきということだ。企業家はビジネスの視点から、自社の将来について冷静に考える必要があるだろう。日本のIT企業の立場で物事を考えた時、中国のIT企業への発注を縮小したり、中国市場への進出を控えたりするのは得策ではない。

 例えば日本のIT企業が成長戦略を考えた時、ハイペースで成長を続ける巨大なマーケットは、中国IT市場以外にあるだろうか。日本のIT企業にとって、中国IT市場は世界中で最も魅力的な市場であるはずだ。「中国を避けてほかの国に進出しよう」と考えるのには無理がある。

確かに中国IT市場は日本のIT企業にとって魅力的だが、一方で日本のIT企業の多くが「商習慣が独特であり日本IT企業には不利」「代金回収がうまくいかない」といった不満を抱えている。果たして本当に魅力があるのか?

 知り合いの日本人から、同じようなことをよく聞かれる。あえて厳しい言い方をさせてもらえば、それは日本のIT企業の甘えだ。

 IBMやヒューレット・パッカード、アクセンチュアといった米国のIT企業は中国市場で成功を収めている。欧州の企業も同様だ。欧米のIT企業にできて、日本のIT企業にできないはずはないだろう。