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 中国におけるオフショア開発の歴史も10年以上経過し、大都市に集中していた初期から郊外にも集積地が作られ産業として成長した。顧客企業から任される領域も広がっており、オフショア開発の受託企業と発注企業との関係も変化が生じ始めている。オフショア開発を成功するためのポイントは何か。サイノコム・ソフトウェア・グループの高級副総裁の時崇明氏はコミュニケーションを活発にすることだと説明する。

(構成:西 雄大=日経コンピュータ

サイノコム・ソフトウェア・グループ 高級副総裁 時崇明氏
サイノコム・ソフトウェア・グループ 高級副総裁 時崇明氏

 中国におけるオフショア開発も10年以上経過し、顧客との関係も変化してきた。担当業務が拡大し、協力関係が強化してきた。業務ノウハウも蓄積されはじめてきた。

 最近ではオフショア開発企業が開発の上流工程にも参画することで開発費の削減を目指すようになった。顧客企業と共に中国の国内市場へ参入する動きもあるなど単なる受発注の関係を越えようとしている。

 我々のようなオフショア開発を受託する企業が心がけていることは顧客企業と積極的にコミュニケーションを図ることである。

 役割と責任を明確にしたうえで、コミュニケーションを多くとることがプロジェクトを円滑に進められるポイントである。

 顧客企業とは毎日のようにテレビ会議で打ち合わせをしている。大きな開発案件で重要な局面に入っている場合は毎週のように出張して対面で話し合う。出張するとコスト増になるが、議論することで意思決定が早くなる。結果的に安くなると思っている。

 顧客企業から信頼されるためにコミュニケーション強化以外に取り組んでいることが2つある。

 まずセキュリティ管理を徹底していることだ。顧客の要望に応じてそれぞれのプロジェクトルームへの入退室の履歴の蓄積など管理を強化している。セキュリティ対策の専門部署で管理している。

 2つ目が開発品質の向上である。開発案件が終わると、反省会を開き問題点を洗い出し課題を共有する。資料として残しておき、ノウハウとして蓄積していく。ノウハウを元に開発工程を標準化することで、開発効率と品質の向上に寄与している。

 オフショア開発が設立され始めた1995年ごろは北京や上海といった大都市に集中していた。2000年からほかの地域でも数多くのオフショア開発企業が設立が相次いだ。 中国の豊富なマンパワーを活用して産業として成長してきた。2012年になって大手のオフショア開発企業が経営統合など再編が始まっている。

 都市部におけるオフショア開発の現状の課題は家賃が上昇してしまい、若手社員が家を購入できないなどの影響が出ている。社員の定着率の低下の原因にもつながっている。その点、地方に拠点を置くことで人件費だけでなく人材が安定して作業できる環境という面でも有利に働く。(談)