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 OSSが、ソフトウエアのエコシステムの作り方を変える──。ライバル関係にある企業が一つのOSSを軸にタッグを組み、“呉越同舟”でエコシステムを作ろうとする動きが始まっている。業界内のライバル企業だけでなく、業界の枠を超えた様々な企業が手を組み、エコシステムを実現する時代の到来だ。

 ライバル企業がタッグを組んでエコシステムを作っている代表例が、OSSの分散バッチ処理ソフトの「Hadoop」である。業界の枠を超えたエコシステムとしては、Linuxファウンデーションが2012年4月に公開した携帯機器向けLinuxの「Tizen」が一例。Tizenは、自動車メーカー、通信事業者、携帯電話機メーカーが共同で開発している。

呉越同舟でエコシステム拡大

 ソフトのエコシステムとは、アプリケーションや周辺ツールなどを提供するサードパーティー、ソフトを利用するユーザーなどの存在を指す。ソフトが広く普及する上では、エコシステムの充実が欠かせない。

 ライバル関係にある企業や、所属する業界の異なる企業がOSSを共同開発しているのは、より大きなライバルに対抗するためである。例えば、Tizenがターゲットとする携帯機器用OSの分野では、米アップルの「iOS」や米グーグルの「Android」が、それぞれ独自に強力なエコシステムを形成して、市場に君臨している。このような大きなライバルに対抗するためには、多くの企業が手を組み、新たなエコシステムを作り出すのが効果的だ(図1)。

図1●OSSによって誕生した「呉越同舟型」エコシステム
ライバル企業が同一のOSS開発を通じて連携することで、より大きなエコシステムを作り出すようになった
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 多くの企業が協力する上で、OSSは格好の存在だ。ただし、開発プロセスを公開し、様々な企業がOSS開発に参加できるようにすることが重要だ。利害関係が異なる企業の要望を、ソフトの開発に盛り込めるようにするためだ。OSSの中には、単にプログラムのソースコードが公開されているだけで、開発プロセスが公開されていないというケースが少なくない。例えば、グーグルのAndroidはソースコードは公開されているが、グーグル以外の企業はAndroid開発の意思決定に参加できない。

 それに対してHadoopやTizenの開発プロセスには、様々な企業が参加している。これら二つの取り組みを、詳しく見ていこう。

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