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 OSSは市場を創る。ベンチャー企業が新技術をOSSとして公開することで、技術の利点が世に広まり、その分野の認知が急速に高まるケースが相次いでいる。

 代表例が、ネットワーク機器の新規格である「OpenFlow」だ。米スタンフォード大学が中心となって作る規格で、異なるメーカーのネットワーク機器で同じ仕様のソフトを使えるようにする。

 OpenFlow規格の「バージョン1」は2009年12月に公開された。世界初のOpenFlow対応ネットワーク機器はNECが2011年3月に製品化し、今ではIBM、HP、米シスコシステムズ、米ジュニパーネットワークスが、OpenFlow対応ネットワーク機器を販売している。

 市場の急速な立ち上がりの背景に、OSSがあった。OpenFlowにおいてスイッチ装置を一元管理する「OpenFlowコントローラー」を実現するソフトや、OpenFlowに対応した仮想スイッチソフト「Open vSwitch」は、スタンフォード大学の研究者が設立した米ニシラ・ネットワークスなどがOSSとして公開していた(図1)。ベンダーはOSSを使って、自社製品を検証することができた。

図1●OSSが主導するOpenFlow市場
ネットワーク機器の新規格「OpenFlow」は、米スタンフォード大学で規格化が進んだ。同大学から生まれたベンチャー企業が、OSSを通じてOpenFlow市場を開拓している
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 OpenFlow市場は今後も、OSSがリードしそうだ。2012年4月に、スタンフォード大学とカリフォルニア大学バークレー校が、OpenFlowのOSSを開発する「オープン・ネットワーク・リサーチ・センター(ONRC)」を設立した。ONRCには、NEC、NTTドコモ、シスコ、スウェーデンのエリクソン、グーグル、HP、中国華為技術、米インテル、ジュニパー、米テキサス・インスツルメンツなどのメーカーや通信事業者も参加する。

 国立情報学研究所(NII)の佐藤一郎教授は、「OSSを開発する上では、知的財産権が問題になることが多い。特にネットワーク機器の特許のほとんどは、シスコなどの主要メーカーが押さえている」と指摘する。スタンフォード大学などは、主要メーカーや通信事業者が参加するONRCをOSS開発の中心とすることで、知的財産権の問題を解決しようとしている。

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