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 自動車や電機部品などで利用する再生アルミニウム(写真2)。その製造・販売を手がける大紀アルミニウム工業所が、アジア地域の生産拠点用の基幹系システム導入を進めている。パッケージソフトとスクラッチ開発のアプリケーションを組み合わせて「アジア標準システム」を構成し、インドネシアやタイの工場に展開しているのが特徴だ。

わずか4カ月で基幹系システムを導入

写真2●大紀アルミニウム工業所が製造する再生アルミニウムの塊
写真2●大紀アルミニウム工業所が製造する再生アルミニウムの塊

 アジア標準システムのうち、業務を標準化しやすい会計や販売管理、購買管理には、東洋ビジネスエンジニアリングのERP(統合基幹業務システム)パッケージ「A.S.I.A」を採用した。A.S.I.Aは英語やタイ語などの言語や、複数の通貨単位に対応。加えて、日系企業のアジア拠点での利用実績が多い点を評価した。

 一方、独自のノウハウを搭載した生産管理や在庫管理には、日本でスクラッチ開発して国内工場で使っているアプリケーションを多言語化したものを使う(図3)。

 アジア標準システムを2011年に初めて導入したのは、ダイキアルミニウムインダストリーインドネシア(インドネシア工場)だ。通常なら最低でも導入に1年はかかる規模の基幹系システムを、わずか4カ月で導入した。

図3●大紀アルミが策定した、「アジア標準システム」の構成
図3●大紀アルミが策定した、「アジア標準システム」の構成
パッケージソフトと、スクラッチ開発のシステムを組み合わせた、アジア標準システムを策定。アジア地域における生産拠点用の基幹系システムの社内標準構成とした

 この実績をテコに、2012年7月からダイキアルミニウムインダストリータイランド(タイ工場)に標準システムを展開中だ。今後、ダイキアルミニウムインダストリーマレーシア(マレーシア工場)への導入も検討する。

たった2人で海外も管理可能に

 大紀アルミは2012年3月期の連結売上高が約1025億円で、社員数はグループで約600人。再生アルミ製品を利用する顧客企業の海外展開に合わせて、近年は海外生産を増強中だ。海外売上高比率を、2013年度をメドに約4割に引き上げる計画を持つ。

 同社はこれまで、海外拠点のシステムの管理を現地IT担当者に任せていた。しかし、海外拠点が増加し、重要度も増しているという経営環境の変化を受け、システム管理の方針を転換。主力工場については、日本本社の情報システム部門であるIT推進室が直接管理することにした。

 ところが、IT推進室のメンバーは室長を含めわずか2人。限られた人員で、国内拠点だけでなくアジア拠点のシステムまで管理するには、徹底した標準化・共通化が欠かせない。

 そこで行き着いたのがアジア標準システムだった。「アジアの生産拠点用の標準システム構成や仕様を決めておけば、パッケージソフトを導入する場合と同じスピードとコストで複数工場に展開できると考えた」と大野博志IT推進室長は話す。