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by Gartner
アンソニー・ブラッドレー グループVP
志賀 嘉津士 リサーチディレクター

 企業がソーシャルメディアを運営して自社の事業に役立てようとする試みは、高い確率で失敗している。驚くほど多くのプロジェクトにおいて、従業員や関係者の努力が水の泡になっている。

 その理由は、ソーシャルメディアの技術や機能にばかり注目してしまい、大勢の人々を協調させて成果を出す「マスコラボレーション」の本質を理解していないことだ。以下、ソーシャルメディアを通じてマスコラボレーションを実現する六つの原則を紹介しよう。

(1)参加:企業に貢献するコミュニティーを作る

 大勢の人々が一つのコミュニティーに参加することで、マスコラボレーションの力を引き出せる。コミュニティーがなければ、ソーシャルメディアは個々の消費者と企業とのチャネルの一つでしかない。マスコラボレーションの力を生み出すには、まず人々がコミュニティーに参加するきっかけとなるコンテンツを用意することが肝心である。

(2)目的:進んで貢献させる

 コミュニティーに参加した人々が、実際にマスコラボレーションに寄与するかどうかは、その企業が実現したい目的の設定にかかっている。もし、その目的が消費者を引きつけるものなら、メンバーは進んで貢献する。そうするためにも、企業はターゲットとなる人々にとって意味のある、明確な目標を定める必要がある。

(3)透明:貢献を評価する

 ソーシャルメディアでは、コンテンツの作成や修正といったメンバーの活動内容は、他のメンバーにも公開され、評価を受ける。こうした透明性は、ソーシャルメディアの大きな特徴である。

 企業は透明性を高めるため、こうした評価を手助けする機能を積極的に提供するとよい。例えば、Facebookが採用している「いいね!」ボタンが代表的だ。ほかにも、タグ付けや星の数による格付け、コメント機能などもある。スコアボードや仮想通貨、バッジといったゲーミフィケーションの道具立ても、メンバーに貢献を促す動機付けになる。

(4)独立:活動を妨げない

 ソーシャルメディアの参加者は、他のメンバーとは独立して、いつでもどこでもコミュニティーに貢献する特徴がある。企業は自社のソーシャルメディアにこうした独立性を妨げる要素がないか、チェックしたほうがよい。運営側による承認や制御といった、活動のボトルネックになるプロセスは可能な限り排除すべきだ。

(5)持続:貢献を保持する

 ソーシャルメディアの特徴の一つに、あるメンバーの会話や貢献が、後から他のメンバーによって自由に閲覧、共有、追加できる点がある。こうした持続性は、電話やビデオ会議といったリアルタイム通信にはない点だ。企業はメンバーの貢献をいつまで、どのような形で保持すべきか、検討しておく必要がある。

(6)創発:自らを導く

 マスコラボレーションにおけるコミュニティーの振る舞いは、あらかじめ綿密に設計したり、制御したりすることはできない。ときには、メンバーが互いのやり取りを通じて、予想もつかない方法を編み出し、難問を解決してみせることもある。企業はコミュニティーに対して明確な目的を示す一方で、それを実現する方法については自由度を持たせるとよい。