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【ニトリホールディングス】
賃貸借契約管理をIT化
新規出店加速で増収

 ニトリホールディングスの成長が止まらない。2012年2月期の連結売上高は前期比5.3%増の3310億円、営業利益は同10.0%増の579億円と、25期連続で増収増益を達成した(図1)。今期も増収増益を見込んでいる。

図1●積極的な出店戦略により業績を伸ばすニトリ
2012年2月期に25期連続の増収増益を達成。既存店の落ち込みを新店が補う
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 成長の原動力が、積極的な出店戦略だ。ニトリは前期、日本国内で28店舗を新規に出店し、258店舗にまで増やした。その結果、国内の既存店売上高は前期比4.1%減と苦戦したものの、全店売上高では増収を確保した。

 半面、ある課題がニトリの出店計画の重しとなっていた。店舗数の増加に比例するように、管理業務の負荷が年々高まってきたのだ。そこでニトリは2011年10月、「賃貸借契約管理システム」を稼働させた。スターバックスコーヒージャパンなどで導入実績がある、SCSKのシステム「Negozio」をベースとし、独自の機能を追加開発したものだ。

地主の相続にも対応

 ニトリの出店計画は、複数の地主と交渉して土地を取りまとめ、更地を確保するところから始まる。その後、社内の建築士が設計し、独自仕様の店舗を建築する。

 この姿勢は創業当時から変わらない。不動産デベロッパーが開発した大型商業施設に入店するよりも、自前の店舗を確保することを好む。不動産事業者を通さないことで、地代を安く抑えるのが狙いだ。ニトリの営業利益率の高さには、店舗関連の固定費が低いことが大きく寄与している。

 だが一方で、出店するたびに複数の地主と交渉する必要があるため、賃貸借契約の管理が膨大になるという問題が生じるようになった。ある店舗では、10人以上の地主と借地契約を結んでおり、地主によって契約条件や期間が異なる。それだけでなく、相続などで地主の名義が変わると、契約書の更新が必要になる。

 ニトリは従来、Excelを使ってこうした契約を管理してきたが、店舗数と契約数の増大に対応するのが難しくなってきた。そこで、新システムの導入を決断した。「契約に関する書類の管理業務や、法務室や経理部への報告業務といった事務処理を大幅に削減できた」と、ニトリ店舗開発本部企画・管理部の齊藤徳マネジャーは効果を述べる。新規出店にかかるリードタイムが短縮されるうえ、システムが適正な地代を算出するため、地主との交渉にも使える。

 Negozioには、不採算店舗を閉鎖する際のコストを試算する機能もある。店舗のスクラップ&ビルドを加速することで、利益率を高められるというメリットもある。

 ニトリは既に台湾に進出し、10店舗を構えている。2013年には米国に出店し、2022年に全世界で1000店舗、2032年には3000店舗を達成するビジョンを掲げる。成長のためには、新規出店のペースを緩められない。それを阻む壁を、ITを使って解消する。