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 本書は業界の統計ではとらえられない「ソフトないちばん」を持つ中小企業64社を紹介している。知名度や規模といった企業の表面ではなく、「行列が途絶えない」「社員の提案件数がいちばん多い」というように隠れた強みに目を向けていることが特徴だ。

 例えば、オリンピックでメダルを独占した砲丸を作る、社員わずか6人の辻谷工業(埼玉県富士見市)もその1社だ。辻谷工業の砲丸は最先端のコンピュータを駆使した旋盤で作っているわけではないという。汎用の旋盤を使って加工しており、職人の技や腕が詰まったものだと解説する。企業を見る「モノサシ」を考え直すのに最適な一冊といえる。

小さくてもいちばんの会社

小さくてもいちばんの会社
坂本 光司&坂本 光司研究室著
講談社発行
1400円(税込)