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 今回は、みなさんが、これからグローバル化のために各国とやりとりをするとした場合、知っているようで知らない言語や文化の違いについて、いくつか具体例をあげて説明します。

ポルトガルとブラジルのポルトガル語は東京弁と関西弁の違い?

 一般的な外国人が東京弁、関西弁、東北弁などの日本語の方言による違いを正確に認識していないように、一般的な日本人も欧州ポルトガルのポルトガル語と南米ブラジルのポルトガル語の違いを、正確にはわからないでしょう。同じポルトガル語なんだから東京弁と関西弁の違い程度で、意志の疎通には問題ないだろうと考えている方がほとんどではないでしょうか。

 もちろん同じ言語をルーツにもつため共通点も多いのですが、実際には表1に示すように、「意志の疎通が不能」なほど違うのです。

表1●英語と欧州ポルトガル語とブラジルのポルトガル語の比較
英語欧州ポルトガル語ブラジルのポルトガル語
busautocarroônibus
station wagon(US)/estate car(UK)camionetacaminhonete/van/perua
driver's license(US)/driving license(UK)carta de conduçãocarteira de habilitação/carteira de motorista/carta

 この2つの言語的な違いは、文法や単語だけでなく構文や文法構造にも及びます。同じ意味を表すのに、異なる単語を使用する文章は、全体の15~20%と言われています。

 ITやデバイス関連では、単語、数値、国籍、IT用語などが異なります。IT用語に関しては、ブラジルのポルトガル語では元の英単語をそのまま使用することが多いのに対し、欧州ポルトガル語では「翻訳」して自国語の単語を当てはめるようにするのが一般的です。

全く別言語として作業する必要がある

 このためユーザーインタフェース、製品情報、メンテナンスサポートコンテンツなどの言語サポートは、全く別言語として考慮する必要があります。同類の言語だからと、ブラジルでポルトガルのユーザーインターフェースをもつ製品とコンテンツをそのまま展開してもビジネスはうまくいきません。自分たちの通常使用している言い方ではなく、不自然だと感じると、その製品を受け入れない可能性が出てくるためです。

 ほかにも、フランスのフランス語とカナダのフランス語、スペインのスペイン語とメキシコのスペイン語や南米のスペイン語でも同様に異なる言語と考えてください。単語によっては完全に意味が違っていたり、ある地域で使用されているが他の地域ではまったく存在しない単語があったり、あるいは互いに理解できないものまで様々な違いが存在します。

 このため、もしカーナビゲーションのGUIについてスペイン語で1種類しか作成しないとすると、大きな問題が発生する場合があります。残念ながら1種類のスペイン語のGUIで、スペイン本土、メキシコ、アルゼンチンなどの顧客すべてに同じく理解させることは、ほとんど不可能に近いといえます。

 例えば、車および車の運転に関連する単語の例は表2のようになります。これらのことを知らずに不買運動に発展したケースもありますので注意が必要です。

表2●日本語(英語)と欧州のスペイン語と南米のスペイン語の比較
日本語(英語)欧州スペイン語中南米のスペイン語
運転する(to drive)conducirmanejar
車(car)cochecarro/auto/automôvil/chche(国によって異なる)