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 エンタープライズICTのNo.1情報誌「日経コンピュータ」とNo.1情報サイト「ITpro」がタッグを組んだ大型企画「日経コンピュータ ×ITpro 連動特集」。その第1弾「世界最適のシステム“立地”戦略」では、先週のアジア編に続き、国内編をお届けします。アジアから国内のデータセンター(DC)に回帰する企業の動向や首都圏DCの“2013年問題”など、最新事情をお伝えします。

 アジア事業を強化するユーザー企業を中心に、アジアのデータセンター(DC)を利用する動きが拡大している。とはいえ、海外のシステムを国内に集約するケースも少なくない。

 「日本には本社があり、多数のIT部員を抱える。世界的に見てもDCの品質は高いので、やはり日本にシステムを置くのが安心」。化学メーカーである三洋化成工業の中村五月男CPシステム部部長は、こう断言する(図1)。

図1●日系企業が日本のデータセンターにアジア地域のシステムを集約する主な理由
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 アジアの拠点で使うシステムを、本社のある日本に設置する日系企業も増えている(表1)。これまで見てきた、「日本のシステムを全てアジアへ移す」、「アジア拠点のシステムだけアジアに集約」とは別の、システム集約における第三のパターンと言えよう。

表1●アジア地域のシステムを日本のデータセンターに集約している主なユーザー企業
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 その典型例が三洋化成だ。同社はこれまで、中国やタイといった海外拠点で会計などの基幹系システムを個別に構築してきた。これを改め、投資・運用の効率化やガバナンス強化に向け、中期経営計画の中に「システム統合」を盛り込んだ。海外売上高比率が高まりつつある中、各国のシステムがバラバラでは競争力を高められないと判断したのだ。

 三洋化成は京都の本社から近い大阪にあるTISのDCを選定。海外拠点用の基幹系システムをここに集約する。

 2013年1月には、中国の拠点で使う新システムを大阪のDCで稼働させる。その後、タイや米国の拠点でも同システムを使う計画だ。ITインフラはTISのDCのクラウド基盤を利用。ITインフラの運用はTISに委託するが、国内外で使うアプリケーションは自社で運用する。

 技術力のある人員が豊富な日本のIT部門が、海外拠点用を含め自社のアプリケーションを管理する。これにより「グローバルでのシステムの信頼性向上にもつながる」と中村部長は期待する。海外拠点のIT要員にはユーザーサポートなどを任せる計画だ。