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 ロッキー山脈が南北に貫くコロラド州。その州都にして最大の都市が、海抜約1マイル(約1600m)という標高から「マイル・ハイ・シティー」という愛称を持つデンバーである。デンバーは豊かな自然を生かした観光業が盛んなほか、地理的な特性から西海岸と東部地域の大都市を結ぶ要衝として、物流・経済の中心的な役割を担ってきた。

ハイテク産業集積地の米デンバー、アジアとの取引が急拡大

 古くからコロラド州が軍事関連施設の拠点として発展してきた歴史を持つため、米国における通信産業や航空宇宙産業、ハイテク産業の一大拠点でもある。これに加え、1970年代には「デンバー・テック・センター」という産業集積地が建設され、同地域に敷設された光ファイバー網を活用して多くの企業を誘致することに成功した。これにより、さらに新たな企業が生まれるというサイクルが形成されている。

 また、デンバーとその周辺地域には多くの高等教育機関や研究機関が存在し、市場に質の高い労働力を供給するとともに、専門知識を生かした起業家を多数輩出している。コロラド州は人口当たりのスタートアップ企業数や特許出願数で米国内で上位にランクしているという統計もある。デンバー産業界はこのような知識集約型の中小企業に支えられているといえる。

2013年には日本直行便も新設

 輸出入といった対外的な面に目を向けると、コロラド州に拠点を置く企業の輸出相手先は、隣接国であるカナダとメキシコが上位を占めている。ただし、両国との輸出額は横ばいで推移している。

 一方で中国や日本といったアジア諸国との取り引きは成長が著しい。2011年までの過去3年間で取引額は約1.5倍となり、輸出額全体に占める割合も40%に迫る勢いである。2013年にはデンバー国際空港にとって初となるアジア都市への直行便として、日本便が就航する予定もある。日本を窓口として、ますますアジア地域とのつながりが深まるだろう。厳しい経済状況が続く中、デンバー産業界にとっては大変明るいニュースである。

 私の勤務しているベリオ(Verio Inc.)は、前述のデンバー・テック・センターにほど近い地で1996年にインターネット・サービス・プロバイダーとして事業を開始した。現在は中小企業向けのウェブホスティング・サービスやIaaS(Infrastructure as a Service)基盤、業務用SaaS(Software as a Service)の提供をグローバルに展開している。

 2000年のNTTコミュニケーションズによる買収を経て、日本やアジア地域におけるプレゼンスも拡大している。デンバーの産業界を支える中小企業のビジネス発展や、海外進出の一助となることができれば幸いである。

栄 智之(さかえ ともゆき)
2009年からNTTコミュニケーションズの米国現地法人であるベリオ(Verio Inc.)に赴任。経営企画・財務・法務・人事・総務を担当。