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 ここ最近、大きな人気や注目を集めるアプリが、相次いでアプリマーケットに投入されたり、新しい展開を見せたりしている。そしてそれらのアプリが、マーケットのランキングにも大きな影響を及ぼしているようだ。

 では実際、人気や注目を集めたアプリが、マーケットに対してどのような影響を与えているのだろうか。現在のマーケット動向から、個々のアプリについて分析してみよう。

話題の「comm」のダウンロード推移は?

写真1●無料で通話やメッセージのやり取りが楽しめる「comm」
写真1●無料で通話やメッセージのやり取りが楽しめる「comm」
公開当初から大きな注目を集めた。
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 最初に取り上げるのは、ソーシャルゲームプラットフォーム「Mobage」などで知られるDeNAが、2012年10月23日に配信を開始した通話・メッセージアプリの「comm」だ(写真1)。独自の技術やノウハウを用いることで、従来のメッセンジャーアプリよりも通話時の音声品質が高いことを特徴としているほか、1対1だけでなく仲間とのグループトークや、スタンプを用いた表現力の高いメッセージのやり取りができるなど、充実した機能を備えているのが特徴で、公開当初から高い注目を集めている。

 commのサービス内容を見ると、NHN Japanのメッセンジャーアプリ「LINE」に近いといえる。実はここ最近、同種のアプリに関する動きがあわただしくなっている。

 10月19日にはヤフーが、韓国で人気のメッセンジャーアプリ「カカオトーク」を提供する企業の日本法人であるカカオジャパンに出資し、業務提携したほか、10月30日にはミクシィが、同社のSNS「mixi」のサービスの1つ「mixiメッセージ」に、チャットのようにリアルタイムでメッセージを送りあえる機能を試験的に公開すると発表。にわかに競争が激しくなりつつあるのだ。

 では、commはマーケットで公開されて以降、現在に至るまでどのようなダウンロード傾向を見せているのだろうか。執筆時点(11月1日)における、マーケットのランキングやアプリの詳細情報から確認してみよう。

 実際にランキングにおけるcommの動向を見ると、App StoreとGoogle Playでは比較的対照的な結果となっている。DeNAは10月24日に、App Storeの無料ランキングで1位を獲得したことを公表しているが、11月1日時点では27位となっており、当初と比べやや順位は落ちてきている。

 それに対しGoogle Playでは「人気の新着(無料)」で1位を獲得、また新着以外のアプリも含めた「人気(無料)」でも3位を獲得するなど、順調な傾向を示している。とはいえGoogle Playの方でも、過去30日間のインストール数の動向を示すグラフを見ると、やはり直近では低下傾向にあるようだ(図1)。

図1●アプリマーケットにおける「comm」の動向(2012年11月1日現在)
図1●アプリマーケットにおける「comm」の動向(2012年11月1日現在)

 ダウンロード数が低下傾向にあるのは、公表当初から時間が経過したことのほか、プライバシー保護に関する不安要素がインターネット上で話題となった影響もあると考えられる。commの公開直後から、会員規約において通信の秘密が侵害されるなどの懸念が一部から指摘されたり、アプリで用いるアクセス権限の多さが指摘されたりするといったことがあったためだ。

 ただこうした状況を受け、DeNAは10月24日に規約を改正したと公表したほか、無料通話の着信相手の限定化や、退会手続きの簡素化など、順次commのサービス内容を見直して改善する取り組みを実施していることを、10月31日に発表している。それゆえ今後、プライバシーに関する懸念の払しょくに関する取り組みが進められることで、ダウンロードの伸びが回復する可能性も考えられるだろう。今後の推移を見守りたいところだ。