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 モバイルデータ通信の導入企業は前年調査の59.8%から伸び、69.3%に達した(図1-1)。「ノートパソコン+データ通信専用端末」という従来の組み合わせだけでなく、スマートフォンやタブレット端末などの登場で利用シーンが広がったことが、企業のモバイル導入を後押ししている。導入済み/予定の企業に「最も利用台数が多い端末」を尋ねると、データ通信専用端末(38.0%)、スマートフォン(17.6%)、タブレット端末(11.0%)、モバイルWi-Fiルーター(15.4%)と多岐にわたっている。あらゆる機器に通信機能を搭載する動きがあり、今後さらなる上積みもありそうだ。

図1-1●モバイルデータ通信の導入状況
図1-1●モバイルデータ通信の導入状況
前年調査(59.8%)から約10ポイント増えて約7割に達した。通信方式はまだ3Gが主流となっている。
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 利用している通信方式は、HSDPAを含めた3Gが74.9%と圧倒的に多い。下り最大21Mや42Mビット/秒のHSPA+/DC-HSDPA、同40Mビット/秒のモバイルWiMAXは伸び悩んでいる。LTE/AXGP(TD-LTE)は大きく伸びたが、まだ5.7%の水準。企業の場合は提供エリアの広さが重要となるため、様子見も多いとみられる。ただLTEの提供エリアは今年度末にNTTドコモで約70%、KDDI(au)で約96%に広がる見通し。ソフトバンクモバイルやイー・アクセスもLTEに力を入れており、来年は一気に伸びる可能性がある。

図1-2●モバイルデータ通信の事業者別の利用率の推移(最も利用が多いものを一つだけ)と、モバイルデータ通信の選択時に重視する項目(複数回答)
図1-2●モバイルデータ通信の事業者別の利用率の推移(最も利用が多いものを一つだけ)と、モバイルデータ通信の選択時に重視する項目(複数回答)
事業者別の利用率はソフトバンクモバイルの伸びが目立つ。
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 利用している通信事業者はNTTドコモが32.8%のトップだったが、ソフトバンクモバイルの伸びが目立った。利用率は前年の11.9%から23.9%に急上昇(図1-2)。KDDIの19.4%を上回り、2位に浮上した。主な理由としては、スマートフォンとタブレット端末の導入拡大が考えらえる。特にタブレット端末市場で高いシェアを握るiPadを扱っている点が大きい。イー・アクセスやインターネットイニシアティブ(IIJ)も法人向けの販売を手掛けるが、3Gの通信機能を標準搭載したiPadの販売はソフトバンクモバイルだけとなっている(調査を実施した2012年7~8月時点において)。

 ほかでは、PHSの落ち込みの激しさが目立つ。ウィルコムはかつて、割安なデータ通信サービスで多くのユーザーを獲得し、2008年調査では24.2%の2位だった。ただ現在は音声サービスに軸足を移しており、一部で根強い需要がある組み込み用途を除いてデータ通信のユーザーは減少している。利用率は今回調査で6.4%まで下がった。

 サービス選択時に重視する項目は、「料金の安さ」が83.3%と最も多く、「エリアの充実度」が61.8%、「通信速度」が55.4%と続く(図1-2下)。これは前年調査とほぼ同様な結果である。今回調査から「セキュリティ対策の充実度」と「サポート対応の良さ」の選択肢を新設したが、重視する企業は2割前後にとどまった。