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 スマートフォンの普及に伴い、米Microsoftの「Skype」といったサービスだけでなく、NTTコミュニケーションズが提供する「050 plus」(関連記事)やNHN Japanの「LINE」(関連記事)など、音声通話ができる数多くのサービスが登場しています。これらのサービスは、従来の電話サービスが採用している回線交換方式ではなく、VoIP(Voice over IP)技術を用いたデータ通信による音声通話を可能としています。

 一方、携帯電話事業者各社はLTE方式の通信サービスを順次開始しています。現在はデータ通信サービスに特化していますが、日本国内でも早ければ2013年内を目途に新しい音声通話サービスを開始する予定です。この新たな音声通話サービスはLTE上で音声の送受信を行うことからVoLTE(Voice over LTE、ボルテと読むのが一般的)と呼ばれています。

 この特集では表1に示すサービスが実装する無料通話の機能について、

  • どのような方式で実現しているのか?
  • 通話品質はどの程度なのか?
を実際の手順を追いながら、調査と考察を進めていきます。

表1●今回の記事での調査対象サービス一覧
サービス名 バージョン 解析対象 通話品質測定対象 サービス提供事業者
LINE 3.2.4 NHN Japan
comm 1.0.3 ディー・エヌ・エー(DeNA)
Skype 2.9.0.315 ×(※) 米Microsoft
※Skypeのパケット解析結果については、米コロンビア大学が作成した資料を参照
http://www1.cs.columbia.edu/~library/TR-repository/reports/reports-2004/cucs-039-04.pdf

「どのような方式で実現しているのか?」を調べるには

 VoIPによる音声通話を行う場合、SIP(Session Initiation Protocol)/RTP(Real-time Transport Protocol)といったプロトコルを採用するのが一般的ですが、NHN Japanの「LINE」やディー・エヌ・エー(DeNA)の「comm」(関連記事)といったサービスがどのような技術を使って音声通話を実現しているのかは一般に知られていません。

 このような場合、有効な調査方法としてネットワーク上を流れているパケットを収集(キャプチャ)し、データの流れを調べる方法があります。WindowsやLinuxであれば、Wireshark Foundationが提供する「Wireshark」というソフトウエアを使用してパケットを収集・解析できますが、Androidを搭載する端末の場合、root権限を奪取しない限りパケットの収集すらできない状況でした。

 しかし、Android 4.0以降を搭載する端末であれば、AndroidのVPN(Virtual Private Network)機能を利用してパケットを収集することが可能になりました。この特集では表2に示すフリーソフトを使ってパケットの収集と解析を進めます。

表2●パケット収集・解析に使用するアプリケーション
アプリケーション名 バージョン プラットフォーム 用途 提供元
tPacketCapture 1.4 Android Android端末上で非rootの状態でパケットをキャプチャする タオソフトウェア
MyIP 1.1 Android Android端末に割り当てられているIPアドレスを調べる RadonSoft
Wireshark 1.2.8 Windows パケットを解析する Wireshark Foundation