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 スマホの急速な普及を受け、大手ネット企業も相次いでO2Oビジネスに乗り出している()。

表●ネット大手企業の主なO2Oサービス
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 例えば米グーグルは、商品名で検索するとECサイトの情報に加えて、近隣店舗での価格や在庫の情報も提供する「Googleローカルショッピング」を、2011年から日本で提供している。確実に在庫があると分かれば、実店舗に足を運ぶ人も増えるはずだ。ヤフーはグルメ情報や乗り換え案内などの地域情報を「Yahoo!ロコ」として統合し、ローソン店舗などへの送客サービスを始めている。

 通信事業者が決済サービスを拡充しているのも、O2Oをにらんだ動きと位置づけられる。KDDIは楽天と提携。電子マネー「楽天Edy」を搭載するスマホを増やすことで、実店舗での購買動向を蓄積し、マーケティングに生かす。

 ソフトバンクは米ペイパルと提携し、スマホをクレジットカード決済端末として使える機器を提供する。「決済機能を持てば、オフラインでの行動履歴がつかめるようになる。それを、ソフトバンクグループが持つオンラインでの行動履歴と組み合わせれば、より精度の高い広告ビジネスが展開できる可能性がある」とソフトバンクモバイルの喜多埜裕明取締役は期待する。O2Oが新たな「ビッグデータ」の発生源になり得る。

 O2Oを単なるマーケティング用語と捉えるのは早計だ。スマホが媒介となり、長年の課題だった「ネットとリアルの融合」が一気に進展しつつある。データ分析やシステム構築、通信インフラの設計など、IT産業にとっても大きなビジネスチャンスとなる。

屋内でもGPSで顧客を誘導

 「都市で暮らす人は、約80%の時間を屋内で過ごす。一方、屋内ではGPSが使えない」。この課題を解消すべく、慶応義塾大学の神武直彦准教授が中心となり、屋内測位技術「IMES(アイメス)」の普及を進めている(写真)。

写真●慶応義塾大学の神武直彦准教授とIMES送信機

 IMESは、簡易型のGPS信号送信機を利用し、GPSと同じ周波数帯やデータ形式で、緯度経度と高さなどの位置情報を送信する。GPSに対応したスマホを使えば、屋内でも正確な位置を把握できる。GPS単独では施設や建物の入り口までしか誘導できないが、IMESと組み合わせれば、ショッピングモールや地下街の特定店舗にまで顧客を導けるようになる。

 ただ、現行のスマホではIMESを利用できない。GPS信号とIMES信号を区別するために、ファームウエアを書き換える必要がある。神武准教授らは2012年、東京・二子玉川の商業施設でIMESの実証実験を行い、技術検証を進める。IMESは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が準天頂衛星「みちびき」の利用促進を目的に開発した。