ジョブローテーションや組織変更、部署異動など、人事異動はビジネスにつきものです。
異動の際に配慮すべき点は、「自分の異動後も組織として機能できる」ことです。その点から考えてみると、選択肢2は後任者が業務を行うために必要なマナーですし、選択肢3は、外部の方がかかわりを引き継いで、関係性を途絶えさせないためのマナーです。
異動が決まったり、担当が変わる時には、引き継ぎのために情報整理が必要です。特に、自分だけが担当していた業務については、これまでのログやデータのありかを、後任者が分かるようにしておきます。選択肢1のようにすべて処分するのではなく、必要な情報のみを整理しておくと、後任者にとっては安心でしょう。自分の頭の中にしかない情報(顧客との会話、過去からの経緯)も時間があるのであれば、後任者に口頭で伝えたり、ドキュメント化しておくとよいでしょう。
挨拶についても、前任者である自分と、後任者がスムーズに業務を引き継ぐために必要な行動です。知らない間に担当が変わっていたら、顧客も驚くでしょうし蔑ろにされていると感じさせてしまったり、挨拶にも来られない事情のある異動なのか、と不要な推察を招くこともあります。
業務を行う上で重要な取引先や関係者には、訪問して後任者を紹介します。引き継ぎ期間が短く、とても訪問しきれない場合には、挨拶状を発送したり、メールを送ります。
異動ではなく、長期休暇(産休、病休など)に入る場合も、同じように考えることができます。例えば、長期休暇の場合は「自分が休暇中も組織として機能できるようにする」と考えると、後任者への引き継ぎも挨拶も必要だということが分かります。
マナーはお互いに円滑な関係を築き、活動するための配慮です。異動前は何かとバタバタするものですが、しっかり行えるとスマートですね。
グローバル ナレッジ ネットワーク 人材教育コンサルタント、産業カウンセラー