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 スマートフォンを利用した「無料通話アプリ」を巡る競争が激化している。NHN Japanが提供する「LINE」がサービス拡充を続ける一方で、ディー・エヌ・エー(DeNA)などネット企業が相次ぎ参入。NTTコミュニケーションズなどは企業向けサービスの機能強化を進めている()。

表●国内の主な無料通話アプリ
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 NHNは2012年12月中に「ビジネスアカウント『LINE@』」を始める。LINEのメッセージ機能を利用して、情報配信するサービスだ。Twitterのフォロワーに情報配信するのと同じ要領で使える。

 既に「公式アカウント」として企業向けに情報配信サービスを提供しているが、利用料金は月150万円からと高額。LINE@ではフォロワー数を限定し、料金を月額5250円へと大幅に下げた。「100人程度の常連客を抱える美容院や居酒屋などが、クーポンを配信するといった用途に向く」とNHNの出澤剛取締役は話す。オンラインで情報を配信し、実店舗へ誘導する「O2O(オンライン・ツー・オフライン)」ツールとして活用できる。

 サービスのベースとなるのは、無料通話アプリで獲得したユーザー基盤だ。LINEの国内登録者数は3600万人を超え、特に若年層の利用率が高い。「LINEのメッセージはスマホの画面にポップアップ表示されるため、メールマガジンなどと比べて閲覧率が高いのも強み」と出澤取締役は言う。

 LINEに続けと、新規参入も相次ぐ。DeNAは10月、無料通話アプリ「comm」の提供を始めた。データの圧縮方法などを改良して音声の品質を高めた。commでユーザーを獲得し、ソーシャルゲームの利用者拡大につなげる狙いだ。ヤフーも10月、無料通話アプリ「カカオトーク」を提供する韓国カカオの日本法人に出資し、国内での利用者拡大に乗り出した。

 NTTコムは企業向けの「050 plus for Biz」サービスで11月、BYOD(私物端末の業務利用)関連機能を強化した。月額料金はかかるが、アプリを導入したスマホ同士の通話は無料。従業員が私有スマホを業務利用する際、アプリ経由で発信すれば、会社に通話料金を簡単に請求できる。「専用の電話番号を利用者ごとに付与するので、私有スマホの番号が通知されないのも利点」とボイス&ビデオコミュニケーションサービス部の竹居宣仁氏は話す。