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 さて、今回から少しテーマを変えてみよう。

 これまで企業が自分たちのマーケティング・コミュニケーション活動の中で、ソーシャルメディアを利活用するにあたって、必要な考え方や、あるいは、その方法論などについて語ってきた。これらは基本的に、言うなれば「攻め」。つまり自分たちが、どのようにソーシャルメディアを利活用して対外的にコミュニケーションをしていくか、自分からアピールするという視点に終始していた。

 今回からは「守り」。つまりソーシャルメディア上で自分たちを“守る”ことについて、どのような考え方やアプローチが必要になってくるかをあらためて考えてみたい。

ソーシャルの普及とともに高まる「炎上」リスク

 読者のみなさんも既にご存知のように、ソーシャルメディアと呼ばれるものが広く普及し始めてから、企業や団体、そしてユーザーがソーシャルメディアに接触することが、今では日常化しつつある。これまではマイノリティの中のマイノリティと片付けられてきたソーシャルメディア上の声も、それに伴って無視できなくなってきている存在になってきていることは、容易にイメージできるだろう。

 では、なぜソーシャルメディア上の声が無視できなくなってきているのだろう。もちろん利用者人口が増加の一途をたどっているという現状によるところが大きいのだが、それ以外にも理由がある。それはソーシャルメディア上を飛び交う声に「顧客の本音」が多く含まれているということである。そして、その中の一部は「企業が発信したいメッセージ」と異なっている場合もあるという点だ。そういった声を、顧客が検索、発見し、そして吟味し始めている。

 つまり企業は「建前」だけのコミュニケーションを行えなくなってきているという時代になっているということを改めて認識した方がいいだろう。また、その「(企業の)建前」と「(顧客の)本音」がインターネット上で混在した状態になっているのが現状だとも言える。

 そして、その「建前」と「本音」の乖離が、企業のソーシャルメディア上における評判を下げることにもつながり、ともすれば「炎上」にも発展するリスクを持っているのだ。今回からしばらく、この「炎上」について深く考えてみよう。

 これまで「企業とソーシャルメディア」というテーマにおいて、その「成功事例」をはじめ、いわゆるポジティブな側面については、数多く語られてきている。半面、炎上などのネガティブな側面については、まだ、それほど多くは語られていない。だが、こうしたネガティブな面について、見て見ぬふりにしてしまうよりも、きちんと理解をした上で自分たちのソーシャルメディア活用を、より現状に即したものにしていきたい。