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 日本の家電産業がかつてない逆風にさらされている。しかし、部品技術やネットワーク技術など要素技術にはまだまだ「光る」ものがあり、国内の家電メーカーの今後を期待し、応援していきたい。

 シャープについても、ますます厳しさを増す経営環境の話題には注目が集まるが、技術開発の現場では、苦境を打破しようと新しい取り組みに挑んでいる。本稿では話題の製品を試すことで、改めて同社のポテンシャルについて考えたい。

IGZOパネルを搭載したAQUOS PADを試す

 かつて携帯電話機の国内市場で、出荷台数ではトップレベルであったシャープのシェアが落ちてきている。またタブレット分野では「GALAPAGOS」ブランドの製品がブレイクできない状態が続いている。

 このような状況下で、今回KDDIが扱うタブレットの今冬モデルとしてリリースされる「AQUOS PAD SHT21」は、話題の新世代ディスプレイ技術「IGZO」を搭載して注目されている。約7インチ型タブレットの大きさでWXGA(1280×768画素)である。11月末に発売したiPad miniのディスプレイが7.9インチ型のXGA(1024×768画素)であり、画質の比較にも興味の持てるところであろう。

 IGZO技術の特徴は、高精細化と低消費電力化である。高精細化は薄膜トランジスタや配線の細線化に成功したため。つまり、「各画素を囲う四角形の配線を細くでき、四角の大きさが同じでもバックライトを多く通す」というイメージである。バックライトの透過率が同じであれば約2倍の高精細化ができるといい、同じ精細度であれば低消費電力化できる。また、静止画については、一定時間電源がオフでも画像を保持でき、液晶パネルの消費電力を1/5~1/10に低消費電力化できるという。

 この自社技術に基づく液晶パネルを採用した結果、電池消費がかなり節約できる。また実際にWEBブラウジングにおいての文字の再現性も高く、KDDIが新しくサービスを開始している「ブックパス」などの電子ブックサービスでも重宝できそうだ。また「PenFlow」機能により付属ペンで画面メモを呼び出して即座に手書き可能。感知センサーも反応がスムーズでペン入力も快適との印象を持った。

 今回、筆者が特に着目したのが動画の再現性である。ちなみに、本機はLTEも内蔵しておりテザリングも可能である。「ビデオパス」などのコンテンツも問題なく再生することは想像に堅くないので、もう少し画質の高いものの再現性をテストすることにした。

図1 Smart Familinkを使って、nasneと連携
図1 Smart Familinkを使って、nasneと連携
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 そこで、シャープの無線LAN経由の家庭内ネットワークである「Smart Familink」機能を用い、筆者宅の無線LANネットワーク上で、ソニー製のネットワークレコーダー「nasne」とペアリングを行った(図1)。事前に取り溜めていたスカパーの番組(3倍速録画、MPEG-2をリアルタイムでAVCに変換して録画するタイプで平均ビットレートは6から8Mbps)から動きの早いシーンが多いアクション映画をタブレット上に表示されたタイトル画面で押すとスムーズに再生が始まった。

 リビングの無線LANの近くからその隣にある仕事部屋に移動しても映像が途切れることがなかった。特にアクション映画などの鑑賞ではかなりの質感が得られる。コマ落ちも一切感じられなかった。今まで実験してきたスマートフォンやタブレットを用いた衛星放送エアチェック再生実験ではえてして、ズームイン・ズームアウトなどでシーン途中の役者の動きが時々スムーズではないことが目視確認できていた。

 なお「Smart Familink」機能では、シャープ製のBDレコーダーなどの録画機器で検証を行ったもののみを動作保証としており、今回の組みあわせはあくまで実験として行ったものだ。また、AQUOS PAD SHT21は発売前のものをKDDIより借りたものを利用したもので、発売品においてこうした異なるメーカー間の連携動作を保証するものではない。