PR

 2012年は、新しい事業を“成功率高く”立ち上げるための手法「リーン・スタートアップ」が話題を集めた。ITproでも、3月と7月に特集記事を企画(3月の特集7月の特集)、それぞれリーン・スタートアップの基本知識や最新動向と、その後の進化を伝えた。

写真1●スティーブ・ブランク氏
[画像のクリックで拡大表示]

 スタートアップ関連の書籍も次々と出版された。例えば、「顧客開発モデル」や「リーン・ローンチパッド・クラス」を推進するスティーブ・ブランク氏(写真1)の「スタートアップ・マニュアル」、多くのベンチャー企業関係者が愛読するエリック・リース氏の「リーン・スタートアップ」、 アレックス・オスターワルダー氏の「ビジネスモデル・ジェネレーション」などである。エリック・リース氏をシリーズエディターとして迎えた「THE LEAN SERIES」の第1弾となる「Running Lean -実践リーンスタートアップ」も、日本語版が間もなく登場する。

大企業の新規事業にも適用

 2012年はまた、これら専門書やメディアで得た知識を基に、起業家同士や起業家を志す人向けの情報共有・交流イベント、起業を想定してアイデアを実践に移すイベントなどが目白押しだった。

 例えば、米国発の起業支援イベントである「スタートアップ・ウイークエンド」は、国内数都市で週末イベントを開催した(東京での開催サイト写真2)。

写真2●スタートアップ・ウイークエンドのホームページ
[画像のクリックで拡大表示]

 同イベントでは、金曜日の夜から日曜日の54時間をかけて、即席編成されたチーム単位で起業にチャレンジする。初日(金曜日)はチーム構築にあてられ、各人が持ち寄ったアイデアから魅力的なものを選んでチームを構成する。2~3日目はビジネスの構築で、アイデアを詰めて、必要最小限の機能を盛り込んだ製品(MVP:Minimal Viable Product)を作ることを目標とする。最終日にはプレゼンと審査を行い、優勝チームを選出する。

 短時間、しかもにわか仕立てのチームではあるが、一つのアイデアを形にしていくプロセスを経験することで、起業するにあたりず直面する決断や実行、調整を擬似体験する。役割分担がはっきりしている既存の組織では得られない経験ができるのが魅力だ。大企業に所属する若手の社会人の多くは、何から何まで自身で決断する機会には恵まれない。彼らにとっては、実際に起業するにしても、社内で新事業を立ち上げるにしても貴重な経験になる。

 実際、11月中旬に東京で開催されたイベントで優勝した「SENSEINOTE」を率いた浅谷治希氏は同イベントの直後に起業した。SENSEINOTEは先生向けのサービスで、他校を含めた他の先生と情報を共有できるようになる。これにより、先生同士でノウハウを共有したり、作業の効率化が期待できる。