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 マッキンゼーで多くの経営戦略立案・実行支援を行い、現在は自ら創業したブレークスルーパートナーズの代表取締役を務める赤羽雄二氏は、起業支援を積極的に続けている。2012年も、IMJインベストメントパートナーズと共に「ブレークスルーキャンプ by IMJ」を立ち上げ、育てている。2012年を総括すると共に、スタートアップ企業を取り巻く環境やリーン・スタートアップの展望について聞いた。

(聞き手は菊池 隆裕=ITpro


スタートアップを支援する立場からみて、2012年はどんな年だったでしょうか?

 2012年は、「リーン・スタートアップ」がキーワードとして頻繁に使われました。私自身もよく使いましたが、エリック・リース氏による同名の著書を読み直し、その要点を改めて考えてみると「超高速仮説構築検証型商品開発」と言い換えたほうがいいと考えるようになりました。ベタではありますが、こちらの方が実体を正確に表現できていると思います。

 つまり、「価値仮説と成長仮説、KPI(Key Performance Indicator、主要業績評価指標)を設定し、必要最小限の機能を実装した製品(MVP:Minimum Viable Product)を作り検証するというプロセスを短期間で高速に回すこと」がリース氏の伝えたいことであり、無駄がないことを意味する「リーン」や、生まれたばかりの企業をイメージする「スタートアップ」を使うことで、適用範囲を狭めてしまうと考えたのです。

 超高速仮説構築検証型商品開発であれば、スタートアップ企業だけでなく、既存の大企業の関係者も関心を持ち、その商品開発プロセスにも適用しやすくなるでしょう。呼び名はいずれだとしても、このアプローチは、商品開発には極めて有効な手段です。もっと多くの人に取り組んでもらいたいと思っています。

赤羽さんの取り組みも大きく広がったように思います。

写真1●ブレークスルーキャンプ by IMJのキックオフイベント
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 個人的には、IMJインベストメントパートナーズと一緒に起業支援プログラム「ブレークスルーキャンプ by IMJ」を立ち上げたことが大きな成果でした(写真1)。これは、1社に500万円を出資、ネットサービスの構築にノウハウを持つIMJが支援するベンチャー・インキュベーション(孵化)の活動です。

 さらに、2011年に続いて学生向けの「ブレークスルーキャンプ2012 Summer」を今年7月に急きょ開催することになりました。昨年は2カ月のプログラムでしたが、今年はわずか5週間のプログラムでしたので、うまくできるかどうか不安でしたが、やはり大きな成功を収めることができました(写真2)。

写真2●ブレークスルーキャンプ2012 Summerの決勝イベント
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 こうした取り組みに加えて、現在力を入れている取り組み分野には「女性の起業支援」「東南アジアでの事業展開」「大企業の経営変革」があります。

 最初の女性の起業支援については、第一歩として先日「女性のためのスマホ・iPadアプリ企画ワークショップ」と題したワークショップを開催しました。企業の手前のアプリ企画の段階を後押しするものです。当初、集客に苦労しましたが、最終的に45人に参加していただき大きな手ごたえがありました。

 驚いたのは、応募者の出席率です。イベント支援サービスの「PeaTiX」を使いましたが、応募された方のうち、実際に参加された方は90%に達しました。PeaTiXのイベントの平均参加率は75%とのことですので、非常に高い数字です。好評だったことから、12月18日には第2回目のイベントを開催することにしています。第2回では、企画案をどうやってユーザーインタフェースに落とし込むのか、ワークショップ形式で進めていきます。11月、12月のワークショップの前には、8月にスタートアップで働く女性を講師として呼んだイベントも共同開催しました。