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写真1●ヤフー/IDCフロンティアの白河データセンター
写真1●ヤフー/IDCフロンティアの白河データセンター
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 ヤフーと同社子会社のIDCフロンティアが2012年10月に開設した福島県白河市の「白河データセンター(DC)」は、同グループのクラウド戦略を支える基幹DCだ。その外観には特徴的な「煙突」がそびえる(写真1)。これこそが白河DCの省電力を支える秘密である。白河DCでの取材を基に、同DCに施された工夫を詳しく見ていこう。

 白河DCは、IDCフロンティアにとって2008年に北九州市で開設した「アジアン・フロンティア(以下、北九州DC)」に続く、二つめの郊外型大規模DCになる。白河DCは、延べ床面積が5000平方メートル程度の「DC棟」単位で増設するモジュラー構造を採用する。まずは管理棟とDC棟を1棟建設しており、延べ床面積は8900平方メートルになる。さらに2013年には同5900平方メートルの「2号棟」を追加する予定だ。

 2008年に開設した北九州DCも、同様のモジュラー構造を採用しており、こちらはすでにDC棟が4棟ある。現在の延べ床面積は1万6400平方メートルで、さらに2013年には、同5800平方メートルの「5号棟」を建設する予定だ。

 IDCフロンティアは、白河DCと北九州DCいう地方都市にある巨大DCと、首都圏のDCを同社の基幹DCと位置づけており、これら3拠点のDCを連携させたクラウドサービスを提供する。首都圏、北九州、白河という地理的に離れたDCを連携させることで、災害に強いクラウドサービスとする。

暖気を吸い上げる“煙突”で「PUE 1.2」を実現

写真2●屋根に並んだ“煙突”が暖まった空気を吸い上げる
写真2●屋根に並んだ“煙突”が暖まった空気を吸い上げる
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 IDCフロンティアの次なる基幹DCとなる白河DCには、同社が北九州DCの運用経験を基に編み出した、様々な工夫が盛り込まれている。その象徴が、冒頭に紹介した煙突(写真2)だ。白河DCは、冷涼な気候を活用して、外気冷房を取り入れている。データセンターの壁面が「すのこ」状になっていて、フィルターを経由して外気をサーバールームに直接取り込む。

 サーバールームに取り込んだ外気は、ファンなどを使ってサーバーまで送り込むわけだが、この空気を運ぶ電力を削減するシカケとなるのが、建屋の上部にある煙突である。この煙突は、サーバー内部で暖められた空気が溜まる「ホットアイル」の上部に備え付けられている。煙突には、暖かい空気を煙突上部に吸い上げるという「煙突効果」が働く。煙突が空気を吸い上げる力を使って、外部から取り込んだ冷気をサーバー内部に導くという仕組みである。

 白河DCでは、このような冷房の仕組みを採用することで、データセンターの消費電力効率を表す「PUE」の値を、「1.2以下」にまで下げられると見込む。これは、サーバーが消費する電力を「1」とすると、サーバー以外が消費する照明や冷房などの電力が「0.2」になることを意味する。標準的なDCのPUEが「2以上」であることを考えると、大幅な電力の削減である。

写真3●データセンターの屋根に並ぶ
写真3●データセンターの屋根に並ぶ
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 白河DCには、DC棟を最大で6棟以上建てられる敷地が確保してある。管理棟も、最大6棟のDC棟を接続できるようになっており、DCの裏側に回ると、確保している敷地を確認することができる(写真3)。

 IDCフロンティアは、2013年に建設する北九州DCの5号棟でも、白河DCで開発した煙突の仕組みなどを採用する予定。これによって北九州DCの消費電力効率も下げられる見通しだという。