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アクセンチュア 程 近智 代表取締役社長

 日米欧の先進7カ国(G7)の3極体制を中心とした経済成長から、成長著しい新興国を含む多極化された経済圏(G20)が形成された。しかし、先進国としてのG7や、新興国を合わせたG20のような境界は、昨今の国境にとらわれない「ヒト・モノ・カネ」の流動を見る限りもはや存在しなく、際立ったリーダー不在の「G0(ゼロ)」時代へと突入している。

 3極体制時には、企業のリーダー達は自社の戦略、オペレーション、人材を、該当する地域に優先的に投下することによって継続的な成長を成し遂げることができた。一方、G20で対象となり得る市場が一気に拡大し、かつG0のように、そもそもどこの市場が自社の成長ドライバーになり得るか不確実性が高まる時代において、全網羅的に投資を行うことは現実的ではない。

 このG0時代に企業として考えるべくは、「遠心力」と「求心力」のバランスだ。遠心力とは、自社が持つ高い現場力や品質などの付加価値を世界に向けて提供して成長を遂げていく力であり、求心力とは、世界中から優秀な人材を引きつけるなど、自社に対して付加価値の高い資源を取り込んでいく力だ。企業はグローバル化による遠心力の作用に力が及びがちであるが、求心力にもさらに目を向ける必要があるだろう。

 企業は遠心力と求心力のバランスを両立させることで真に強靭な体質となる。これによって、自社の戦略や差別化要素、IT基盤やオペレーション体制など、不確実性の高いG0時代の流れにも柔軟に対応した成長が可能となるだろう。