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 ビジネスとITは不可分になる---。このように言われてからずいぶんとたつ。企業を取り巻く環境が大きく変わっている状況の中で、常にITへの期待が高まっているのは当然のことだ。しかし、ITやシステムがビジネスと直結する、という表現はもはや古過ぎるように感じている。当たり前すぎて、昨今の情勢をよくつかめないのではないか。企業は何をするにもITを使う。今やITは「儲けるためのツール」として不可欠になっているからだ。

 これからビジネスがつながるのは、漠然とした「IT」ではなく「プログラミング」になる。そのくらい“ダイレクト感”があったほうが、今の時代に合っているのではないだろうか。詳しく説明する前に、今年はどんな年になるのか、ざっと展望しよう。

 今年、ソフトウエアの領域では「多様化」が一つのキーワードにになる。第一に入力データの多様化である。コンピュータの基本的な仕組みやアーキテクチャは今年も変わらないが、「入力」となるデータの多様化が進んでいく。GPS(位置情報)やG(加速度)センサーなどに代表される各種センサー、ジェスチャーによって入力するNUI(ナチュラルユーザーインタフェース)など、新しい入力の形態が広まり始める。建機にGPSセンサーを取り付けて稼働状況を顧客に提供し、顧客満足度を高めたコマツの例もある。

 FacebookやTwitterなどソーシャルサービスの投稿データもである。企業が独自に収集するものやGoogleなどが公開するデータを含め、あらゆるデータを使えるようになっている。いわゆる「ビッグデータ」というものも含む。

 このように入力が多様化することで、企業にとってはビジネスの可能性が飛躍的に広がる。いろいろなビジネスの可能性が出てくることで、企業のニーズが多様化するともいえる。システムも、画一的な業務のパターンに当てはめるのではなく、何ができるのか、様々な可能性の中から、新ビジネスや新戦略を見つけ出す力がカギになる。データマイニングやデータサイエンティストの需要が増し、利用者の視点に立って隠れたニーズを探り出す「デザイン思考」も重要性を増すに違いない。

 そして、新しいビジネスモデルの成否を左右するのは、やはりスピードである。従来型ビジネスモデルが通用しなくなっている世の中で、勝敗を分けるのは、“墨俣城”を一夜で作る発想とスピード。そのダイナミズムの実現のために、プログラミングとビジネスがもっと近くなる必要がある。ここでいうプログラミングとは、ビジネスロジックを作成するということ。プログラミングの専門知識を持たないビジネス領域の人が、ビジネスロジックを組む必要性が高まるだろう。

 コードを見れば業務が分かる。ビジネスとプログラムがコードレベルで直結する例としては、「DSL」(ドメイン固有言語)や「ドメイン駆動開発」が注目されている。いわゆる「ノンコーディング」や「BRMS」もそうだ。プログラム言語特有のルールや記述方法などの専門知識を持たない人でもビジネスロジックを組めるというツールである。これらへの必要性は高まるだろう。ただ、今年から急に普及し始める、というわけではないだろう。将来性は見込めるが、開発工程をすべて切り替えるには、まだ時間が必要だと思われる。