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 まず、2012年を振り返ろう。企業システムでのLinux/オープンソースの活用は、着実に伸び続けているようだ。2012年7月にIDC Japanが発表したサーバーOS市場調査でも、Linuxは金額ベースで2011年に「8.4%の堅調な成長」を遂げ、2013年にはメインフレームに次いで2位になると予想している。

 実際、2012年10月にはライオンが基幹系システムをIaaS(Infrastructure as a Service)上のLinuxにリプレースしたほか、みずほ銀行が次期システムにLinuxを採用するといった動きもある。OSとしてのLinuxが基幹システムに採用される一方、OSSのデータベースも普及が進んでいる。2012年4月には、NTTやNEC、富士通など10社が、PostgreSQLの企業利用を促進する団体「PostgreSQLエンタープライズ・コンソーシアム」を立ち上げ、活動中だ。

 クラウドサービスでは、アマゾン ウェブ サービスをはじめLinuxの仮想サーバーの利用は増えている。日本マイクロソフトの「Windows Azure」もLinuxのサービスを展開中。クラウドサービスの仮想Linuxサーバーを企業システムに利用する動きも着実に浸透している。アプリケーションの開発・実行環境も提供するPaaS(Platform as a Service)が増え、米Red Hatも自社サービス「OpenShift」を提供するなど、Linux/オープンソースを活用する流れも定着しつつある。

 クラウドサービスを作る基盤となるオープンソースソフト「OpenStack」や「CloudStack」もバージョンアップを進め、機能面が充実してきている。OpenStackは、パブリック/プライベートクラウドを構築するための基盤ソフトウエア群。オープンソースとして開発されており、米Red HatをはじめとしたLinuxディストリビュータ、米IBMや米Hewlett-Packardなどサーバーベンダーなどがプロジェクトに参加している。2012年9月に公開した新バージョンでは、クラウド構築に必要な基本機能がほぼ一通りそろった。2013年4月には次のバージョンも提供される予定であり、これまで不安定な点が多かったものの、そろそろ本格的に採用が始まるだろう。

 企業のデスクトップ分野では、まだ小さい市場だが、アシストがUbuntuのサポートを提供開始し、これから本格化するところだ。Windows Serverの認証サービス「Active Directory」の置き換えが可能な「Samba4.0」もようやく2012年12月に公開され、デスクトップLinuxの普及も期待される。家庭のPCで利用するLinuxとしても「Ubuntu」が着実にバージョンアップを重ねて人気を確保している。Ubuntuの代替として人気が出てきた「Linux Mint」も日本のコミュニティーが現れ、ユーザーの増加が見込まれる。

 コンシューマー分野で目立った動きの1つは、AndroidタブレットやLinux搭載の電子書籍端末の発売だ。2012年9月にAndroid搭載の低価格高性能タブレットである「Nexus 7」が登場し、話題をさらった。それと前後して、7月に楽天が「kobo Touch」を、11月に米Amazon.comが「Kindle Paperwhite」を出荷し、7000円台の低価格な端末が一気に広まった。

 組み込み系のLinuxに目を向けると、Linux搭載の格安ボードの出荷が本格化してきた点が要注目だ。4000円を切るAndroid搭載ボードが日本国内でも登場し、英国発の35ドルPCボード「Raspberry Pi」もようやく多くの人の手に届き始めている。メモリー量も増え、25ドル版も登場しており、今年はブレークしそうだ。

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