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 日本で何かと話題のスマートフォン。インドネシアでも多分に漏れずスマートフォンが流行している。老若男女、誰もが携帯電話を所有し、1人2台持ちも珍しくない。普及率もほぼ100%に達しようとしている。以前は通話機能だけを備えたノキア製の従来型携帯電話が主流だったが、ここ5年で高機能化が進み、現在はスマートフォンの販売が絶好調といった状況だ。

 中でも目をひくのが、BlackBerryユーザーの多さ。これには3つの理由があると考えている。まず、国民性とうまくマッチしたこと。おしゃべり好きで友人や家族を大切にするインドネシア人は携帯電話でTwitterやFacebookを利用していることが多く、SNSで世界有数のユーザー数を誇る。BlackBerryはこれらアプリを標準で搭載するほか、QWERTYキーボードによる入力のしやすさもあり、SNS用の端末として重宝されている。

スマホの普及が進むインドネシア、インスタント・メッセージが若者に人気

 次に、インスタント・メッセージ・アプリ「BlackBerry Messenger」(BBM)の人気の高さが挙げられる。インドネシア人は簡単な連絡でも常にBBMでやり取りしており、ビジネス/プライベートを問わず欠かせないツールとなっている。電話やメールで連絡がつかない相手でも、BBMならすぐに返事が戻ってくる。BlackBerry向けパケット定額サービスは月500円程度から提供されており、BBMなら通話料なしでメッセージをやり取りできる。友人同士のつながりで“BlackBerryの輪”が一気に広がった。

 最後が、BlackBerryの高級感である。インドネシア人にはちょっとした見えを張る傾向があり、お金に余裕があってもなくても、何かと新しい商品を買っては周りに見せびらかそうとする。新しいBlackBerry端末を自慢げに操作している人が多い、と感じるのは私の気のせいだろうか。

BlackBerry人気に早くも陰り

 ただ最近になってこの傾向は明らかに変わってきた。目に見えてiPhone、Android端末のユーザーが増えてきたのだ。販売台数では既にAndroidがBlackBerryを抜いたとの調査結果も出ている。

 それもそのはず。前述したBlackBerryの人気の理由は、他の端末でも同様の状況を実現できているからだ。各種SNSは問題なく利用できるし、BBMと同等またはそれ以上の高機能なインスタント・メッセージも増えている。「LINE」や「WhatsApp」などのアプリが若者を中心に人気だ。かたやBlackBerryは対抗値下げを余儀なくされ、従来の高級なブランドイメージが薄れてきた。筆者の周りでもBlackBerryユーザーが次々と他の端末に乗り換えており、新しい物好きで移り気なインドネシア人の一面を改めて実感した。

蓮池 久永(はすいけ ひさなが)
KDDIインドネシア社長。2011年10月から赴任しており、東南アジアはシンガポール、フィリピンに次いで3カ国目。2005年~2007年には南極地域観測隊での越冬経験もあり、暑さ寒さにかかわらず、幅広い勤務地をカバー。国内勤務でもモバイルに固定通信、営業から設計、運用まで豊富な経験を持つ。