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 ビジネスに限らず、手土産を持参する場合には、相手がそれを受け取った後のことを配慮する必要があります。

 オフィスに戻った後に食べやすいかどうかを考えると、みんなで分けやすく、すぐに食べなくても品質が悪くなりにくい選択肢1が正解です。

 選択肢2のケーキは見栄えは良いのですが、デスクで食べにくかったり、冷蔵保管するスペースや日持ちの短さが気になりますから不適切です。

 選択肢3は、皮をむいたり、切ったりするために道具(ナイフなど)も手間も必要ですので、やはり不適切と言えるでしょう。手土産は、「高額すぎず、食べきりサイズ」のものを選んでください。

 選択肢4は、手土産として考えられない選択肢です。「好きなものを買って楽しんでもらえるので良いのでは」と考える人もいるかもしれませんが、手土産は、「美味しいのであなたにも楽しんで欲しい」「お仕事中の間食として楽しんで欲しい」など、持参した人の気持ちが伝わることが大切です。これが、商品券では伝わりません。

 また、商品券は金券として扱われるため、中身が商品券だと分かった時点で、渡した相手には良くない印象を持たれるでしょう。通常、取引先からの金銭や金券の授受は禁じられているからです。相手は、「なぜこんなものをくれるのか?」「賄賂なのか?」と思うかもしれません。

 ちなみに、手土産にかかわらず、紙袋に入った贈答品を目上の方に渡す際は、紙袋から出して渡すのがマナーです。

 もともと、日本では、容器や風呂敷包みで受け取った場合、その容器や風呂敷に何かを入れてお返しする風習がありました。紙袋は、風呂敷の代用品として普及したため、紙袋ごと渡すと、相手は「この袋に何かを入れて返すことを期待されている」と受け取る可能性があることを、おぼえておくとよいでしょう。

 「持ち帰り用に紙袋が必要だろう」と判断できる場合は、贈答品を渡した後に、「お帰りの際に、お使いください」と言いながら、紙袋を渡すとスマートです。

森 美緒(もり みお)
グローバル ナレッジ ネットワーク 人材教育コンサルタント、産業カウンセラー
1999年、教育出版社に就職し、営業および営業担当者向け研修を担当。商社での秘書業務を経て、2005年にグローバル ナレッジ ネットワークに入社。2006年より現職。ビジネスマナー、プレゼンテーション、コミュニケーションなどのヒューマン・スキル研修の実施に当たっている。