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CIOに寄り添う実務書

 本書はCIO(最高情報責任者)へ向けて、企業の競争力を高めるために必要な管理手法や実践のノウハウを網羅している。例えば、IT(情報技術)の戦略立案や投資・コスト評価、人材育成などがそうだ。

 特徴的なのは、業務プロセスの革新や新たなサービスや取引形態の開拓といった「ITイノベーション」に多くの誌面を割いている点。イノベーションの創出は事業部門の役割としつつ、ITイノベーションにはCIOを含めたシステム部門の支援が欠かせないと結論付ける。年間数十億個の荷物を素早く正確に届ける宅急便や安価な手数料で金融サービスを提供するインターネットバンキングがITイノベーションの好例という。

 そんなITイノベーションには「オペレーショナルエクセレンスの確立」「専任チームによる実績・方法論の蓄積」「他チームや事業部門への浸透」の3段階を経ることが重要と指摘する。

 ITイノベーションの実践例として、誌面ではクリーニング業界のハッピー(京都府宇治市)を取り上げている。ハッピーは製造や販売、物流の中核に電子カルテシステムを置き、顧客一人ひとりの「感性」に合わせたおもてなしを提供している。それがシャツ1枚のケアメンテナンスが2100円にもかかわらず、注文が後を絶たない理由と解説している。

 本書は「ITポートフォリオ計画の評価手法」や「アウトソーサーとの契約交渉の留意点」といったCIOの関心が高いテーマをすべて2ページ読み切りで書いている。CIOが日々の業務に生かす実務書として活用しやすい一冊といえる。

図解CIOハンドブック
図解 CIOハンドブック 改訂4版
野村総合研究所
システムコンサルティング事業本部 著
日経BP社発行
2100円(税込)