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NTTドコモは、米インテルと韓国サムスン電子が中心となって開発を進めるスマートフォン向けOS「Tizen」の導入に向けて積極的に動いている。米グーグルが開発を推進、最終決定権を握る「Android」に比べ、Tizenは機能の強化や開発の方向性についてNTTドコモの意見や要望を反映しやすく、自由に展開できる利点がある。

 Tizenは、Linuxベースのソフトウエアプラットフォーム。オープンソースで誰でも自由に使え、スマートフォンだけでなく、タブレット端末やネットブック、車載端末、スマートテレビ向けのセットトップボックス(STB)など幅広い用途を想定する。

 最大の特徴は、自由度が高いこと。スマートフォンのOS別シェアはAndroidとiOSが大半を占めるが、機能の強化や開発の方向性については提供主体であるグーグルと米アップルが決定権を握る。iOSは制約が多いことで有名だが、程度の差こそあれ、Androidも同様。「アイコンのサイズや検索窓の表示場所などに細かい制約があり、アプリの配信も基本的にはGoogle Play経由となる」(業界関係者)。独自サービスの展開に力を入れるNTTドコモにとっても「提供したい機能やサービスをすべて実現できているわけではなく、Android一極集中の現状はリスクを抱えた状態と認識している」(マーケティング部の武岡雅則プロダクト戦略担当課長)という。

開発とビジネス推進を分担

 Tizenの自由度が高いという背景には、通信事業者の意見や要望を反映させやすい運用体制がある(図1)。開発主体こそインテルとサムスン電子だが、インテルは元々、フィンランドのノキアと組んで「MeeGo」と呼ぶプラットフォームを開発していた。ところがノキアが2011年2月に米マイクロソフトとの提携を発表。MeeGoは宙に浮きかけたが、直後に開かれた展示会「Mobile World Congress(MWC) 2011」でサムスン電子の開発資産との統合が固まったとされる。Tizenとして正式発表されたのは2011年9月のことだった。

図1●Tizenが誕生した経緯と現在の運用体制
図1●Tizenが誕生した経緯と現在の運用体制
米インテルと韓国サムスン電子が互いの資産を持ち寄り、2011年9月に「Tizen」に統合することを発表。その後、LiMo FoundationがTizenの推進を決め、2012年1月に組織の名称をTizen Associationに改めた。
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 一方、NTTドコモはフィーチャーフォン全盛時代に仏オレンジや英ボーダフォン、NEC、パナソニック、サムスン電子と組んで「LiMo Foundation」を設立し、LinuxベースのOSやミドルウエアを共同開発していた。だが主戦場がスマートフォンに移ったことから役目を終え、Tizenの推進に方向転換。2012年1月から組織の名称をTizen Associationに変えて再出発することになった。その後、インテルだけでなく、中国ファーウェイや富士通なども参加して勢力を広げつつある。