PR

 住宅地の真ん中にそびえる、延べ床面積1万平方メートルを超える大型データセンター(DC)――。大手システムインテグレーターなどが、東京都三鷹市や西東京市に大型DCを開業するケースが増えている。従来の都心型DC、郊外型DCに続く第3の勢力になりつつある「住宅地型DC」の利点と欠点を探ろう。

 これまで首都圏のDCは、東京都千代田区や品川区、江東区といった都心地域か、そうでなければ多摩ニュータウンや千葉県印西市といった郊外地域にあるのが一般的だった。都心地域にDCが多いのは、ユーザー企業の本社やシステムインテグレーターの拠点などから近く、すぐに駆けつけられるからである。一方、多摩ニュータウンや印西市などにもDCが多いのは、地価が安く大きな敷地面積を確保しやすいこと、都心から数十キロメートル離れているため防災対策になること、などが主な理由だった。

写真●キヤノンITソリューションズの「西東京DC」
写真●キヤノンITソリューションズの「西東京DC」
[画像のクリックで拡大表示]

 ところが最近になって、これら都心地域や郊外地域に加えて、三鷹市や西東京市といった東京近郊地域が、新たな「データセンター銀座」として台頭している。最近では、2012年10月にキヤノンITソリューションズが延べ床面積1万6883平方メートルの「西東京DC」(写真)を西東京市に開業したほか、2012年5月には新日鉄住金ソリューションズが同1万平方メートルの「第5DC」を三鷹市に開業している。以前から三鷹市にDCを構えるセコムも2013年に、DCの新棟を開業する計画だ。このほかNTTデータや大手金融機関が三鷹市近郊にDCを構えている。

交通アクセスと地盤の良さが利点

 三鷹市や西東京市にDCが増えているのはなぜか。実は、これらのDCがある場所は元々、大手製造メーカーの工場があった。工場が地方や海外に移転した跡地に、1990年代以降、DCが設けられるようになったのだ。

 システムインテグレーターなどがDC立地として三鷹市や西東京市を選んだ理由は、大きく二つある。一つは交通アクセスの良さだ。これらの場所には、都心から数十分でかけつけることができる。もう一つは、地盤の良さだ。三鷹市や西東京市がある武蔵野台地は、埋め立て地である品川区や江東区の臨海地域に比べて地盤が強固で、地震の影響を受けにくい。2011年の東日本大震災以降、この点が特に見直されている。