中堅企業向けERP(統合基幹業務システム)パッケージベンダーが、グローバルに事業を展開する製造業に向けた機能やサービスを強化している(表)。OSKは3月29日に既存製品の強化版を、東洋ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)は7月に新製品を出荷する。GRANDITとインフォアジャパンは1月、海外での導入支援サービスを強化した。
B-EN-Gが提供する「MCFrame XA 経営管理」は、複数の国で生産する製品の原価を正確に把握・分析するための機能を提供する。プロダクト事業本部の羽田雅一本部長は「多くの企業では現地法人ごとに会計システムが異なっている。正確に製造原価を把握できている企業は少ない」と話す。
OSKが提供するのは「生産革新 Fu-jin SMILE BS 2nd Edition」と「生産革新 Raijin SMILE BS 2nd Edition」向け外貨管理機能。部品を輸出入している製造業向けに、海外取引先との受注や購買を外貨建てで管理する機能や為替差損益を計算する機能で構成する。
「GRANDIT」を販売するGRANDITと「Infor SyteLine」を販売するインフォアジャパンはともに、グローバル対応の製品やサービスを持つ企業と協業して、導入支援サービスを強化した。
GRANDITは「GRANDIT for Group & Global」という名称で、導入支援サービスをメニュー化した。新日本監査法人とみずほ情報総研がコンサルティングサービスを、ディーバがグループ経営管理支援ソフトを提供。NECネクサソリューションズがネットワーク基盤の構築を担当する。
GRANDITは2012年10月に発売した新版で英語と中国語をサポートし、グローバル対応を打ち出している。1月29日には、海外渡航歴や語学情報を管理できる人事管理向けアドオンソフトの提供を始めた。
インフォアジャパンはKDDIシンガポール、京セラコミュニケーションシステム(KCCS)と提携。東南アジアに展開する製造業向けに、KDDIシンガポールのデータセンターからSyteLineをSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)として提供する。KCCSのグループ経営管理ソフトを付加し、東南アジアで複数の拠点を展開する製造業向けを打ち出す。