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 OSSを利用すると、商用ソフトに比べ導入・保守費用が下がるだけでなく、ベンダーロックインから解放されるのが利点だ。

 長崎県はレガシーマイグレーションを実行する際に、ほぼ全ての領域でOSSを採用し、導入効果の最大化を狙った(図1)。結果的に、システム運用コストを年間4億円強削減できる見通しだ。レガシーマイグレーションにかかる投資額は総額10億4000万円。2~3年で初期投資を回収できる計算である。

図1●長崎県がマイグレーションした基幹系システムの構成
図1●長崎県がマイグレーションした基幹系システムの構成
NEC製メインフレームで稼働していた既存システムから、OSSのみを利用した新システムに移行した。アプリケーションは給与、財務・会計、予算編成などで構成する
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地元企業がサポートできる

 長崎県がレガシーマイグレーションの対象としたのは、給与、財務・会計、予算編成で構成する基幹系システムと、60以上の関連システム。これらを1台のNEC製メインフレームで利用していた。アプリケーションの規模は、バッチ系だけで給与が135万ステップ、財務・会計が67万ステップ、予算編成が14万ステップにのぼる。

 決して小規模のシステムではないが、島村政策監は「OSSを全面的に使うのに抵抗はなかった」と話す。電子申請システムや庁内庶務事務システムなどで、CentOSやMySQLを利用した実績があったからだ。2002年に打ち出したシステム化方針「ながさきITモデル」でも、OSSの積極的な採用を掲げている。

 OSSの利点として、長崎県がコスト削減とともに重視しているのがベンダー依存からの脱却だ。九州地区には大手ベンダーのSE拠点が大都市にしかない。複雑な障害が発生した場合の初動対応などを考えると、地元企業がサポートできるのが望ましい。OSSであれば、地元企業でも開発や保守の面で柔軟な対応が可能になる。