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 前々回前回と、概略で次のようなことを述べた。

  • 日本のSEは、一般に技術偏重気味でビジネス意識に乏しいし、視野も狭い
  • 仕事に対して受身的で、営業などに対してフラストレーションをためるなど、いろいろな問題を抱えている
  • その背景には、SEの「IT技術を良く知っているSEは優秀だ」という風潮や、「顧客に対する体制図やSEの人月の提示、常駐」など、人売り的ともいえるIT企業のビジネスのやり方などがある
  • これにメスを入れない限り、SEが抱えているこれらの問題は解決できない
  • しかし、日本のIT業界の歴史を見ると、そこになかなかメスを入れることができない
  • それができるとすれば、第一線の“SEマネージャーかSE”しかいない
  • 特に、重要なのはSEマネージャーが率先してそれを行うことである

 およそこのようなことを述べた。読者の中には異論のある方もいると思うが、大筋で賛同する人も少なくないと思う。しかし、SEやSEマネージャーの中には、「体制図の提示などは営業の問題ではないか。なぜ、我々SEが?」と疑問に思う人もいると思う。疑問を持つのは分かるが、疑問に思う方はぜひ筆者が前回述べた理由を読み、再度考えてみてほしい。

 いずれにしても、この問題は日本の数十万人のSEに関わる問題である。そしてIT業界の構造的な問題でもある。納得いかない方や異論のある方は、「日本のSEはこのままで良いのか。NOならばどうすれば良いか」を、ぜひ考えてみてほしい。そして代替案があれば、ぜひそれを教えてほしい。そこで今回はこの続きを述べる。

SEの問題の解決はビジネスを伸ばす

 IT業界のSEの問題について、これまでいろいろと述べたが、営業や経営者の多くの方はきっと「SEのことは良く分からん。だが、問題を抱えているのは分かる。SEがそれで困るのなら自分達で解決すれば良いじゃないか。我々はそれどころではない。会社にとってはビジネスの方が重要だ」と思っている人は少なくないと思う。

 おそらく、それは彼ら彼女らの本音であろう。だが、誤解してもらっては困るが、筆者はこの連載を単にSEが抱えている問題を解決することだけのために書いているのではない。考え方として、長年、日本のSEが抱えている問題が解決できれば、SEは体制図や常駐などに拘束されなくなる。また技術偏重もなくなる。すると、SEはモラル高く自主的に行動するビジネス意識を持った技術集団になる。

 もちろんSEは、現在のある意味、過保護的な立場から脱し、自分で物事を判断して自主的に行動できる技術屋に変わらなければならない。それだけSEは厳しくなる。つまり、SEが変革する。SEがそうなるとプロジェクトのトラブルは減り、提案力も強くなり会社のビジネスにとって大きなプラスになる。顧客の満足度も向上する。ひいてはそれが、日本の情報化のプラスにもなる。筆者はそう考えている。