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 グローバル化に挑む日本のIT企業。その成否の分かれ目はどこにあるのか。グローバル人材の採用・育成に向けた課題は。日本企業のグローバル化の推進を目的として2009年に活動を始めた情報サービス産業協会(JISA)の「グローバルビジネス部会」のメンバーであるNTTデータの西島昭佳エンタープライズITサービスカンパニー第四法人事業本部副事業本部長、シーエーシーの大須賀正之執行役員事業改革施策担当、網屋の伊藤整一社長が議論した。

(聞き手は大和田 尚孝、岡部 一詩=日経コンピュータ

企業規模によらず、海外進出を果たしている企業とそうでないところがあります。成否の分かれ目はどんなところにあるのでしょうか?

シーエーシーの大須賀正之執行役員事業改革施策担当
シーエーシーの大須賀正之執行役員事業改革施策担当

大須賀:「知っている」か「知らない」かの差が一番大きいと思います。どういうことかというと、例えば初めて海外に進出する中堅・中小企業の場合、どこから手をつければいいか分からないというのが実情だと思います。

 そこでJISAでは「グローバル化支援サイト」というポータルサイトを作り、海外に進出するための“いろは”の情報を掲載しています(写真)。情報共有が進めば、グローバル化に向けた最初のハードルが下がると思います。お互いに助け合えば、日本のIT企業全体のグローバル化が進みます。

写真●JISAの「グローバル化支援サイト」
写真●JISAの「グローバル化支援サイト
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 もう一つは、これは大した問題ではないと個人的には思うのですが、言葉の問題です。英語が得意な人材がいなければ海外の仕事ができないというわけではない。私の経験からすれば、海外に出てしまえばどうにでもなるところはあると思います。ところがこれも、最初の一歩を踏み出したことのない会社には大きなハードルです。

NTTデータの西島昭佳エンタープライズITサービスカンパニー第四法人事業本部副事業本部長
NTTデータの西島昭佳エンタープライズITサービスカンパニー第四法人事業本部副事業本部長

西島:情報の共有は本当に大事ですね。例えばユーザー企業が事業そのものをグローバルに展開する場合、情報システム会社も役割を変えていく必要があります。ただし、そう簡単ではない。情報システム会社が共通して抱える悩みかもしれません。それをいかに乗り越えたかなどのノウハウが共有できれば、効果は高いはずです。

伊藤:進出先の選び方もポイントだと思います。当社(網屋)の場合、最初は上海に社員を派遣したんです。ところが実は他社も同じことをしていた。世界の中でも上海には日系企業が多く集まっている。ならば日系企業向けに仕事があるのではと上海に出るわけです。

 ただ、現地に進出しているITベンダーの方に聞くと、実はタイも同等以上に日系企業が進出しているらしいんです。それならば出資などの法的規制を考えると、タイの方が楽なわけです。でもそれを知らないと、まずは上海に出ることになる。そうしたことも、人的なネットワークがあれば、避けることができます。